学パロ２

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カ「俺の恋愛は現在進行形でドラマチックだけどね」

冗談か本気かわからない。怖い人の優しい目って、怖いの？怖くないの？
カンタくんは、続けてわたしの唇も親指で拭う。

カ「クリームついてた」


親指をわたしに見せて、そのままそれを舐めてみせる。シュークリームのクリーム舐めて冷やし中華食べるの平気なのかなーって場違いなことを考えて気を紛らわせて。
ぎらついた目は、過去みたことのない先輩の目。

もしかしなくても結構怒っているのかも、とようやく自分の今の状態を把握したけど、結局特に対策
は思いつかなくて、ただ困った顔をしてやりすごした。





カンタくんはお付き合いをはじめたからといって、なにも変わらなかった。
わたしと付き合う毎日はロマンチックだと言っていたけど、そんなことはないとわたしは思う。そんな毎日のなかで、後輩さんや富永先輩(トミーさんと呼ぶと気持ち悪いと怒られる)と同じ扱いは、正直寂しい。
毎日楽しくて、物足りない。
いつからわたしはこんなに欲張りになったのかな。

カンタくんの特別でいられるだけで、本当は幸せすぎるのに。


『はああ』

ま「ただいま」

『うわ！』

玄関で段ボールをつぶしていると、背後から声を掛けられて驚く。まんずじゃん！

ま「うるさいな」

ドッドッドッ、と鼓動が早鐘を打つ。びっくりさせることを犯罪にしてほしい。もう！


『おかえり！』

ま「なんかあったの？」

『・・・いやー、白馬の王子様でも現れないかなあーって』

ま「白馬の王子様にも選ぶ権利あるでしょ」

『ひど』

あはは、と乾いた笑いを漏らすわたしをまじまじと見たまんずがめんどくさそうに頭を掻いた。

ま「なんかあるなら話聞くけど」

『…いやー、たいしたことでは無い』

ま「部屋にいる」


トントン、と階段をあがっていくまんずの背中は、大きい。ランドセルにカエル入れて泣かせたあの頃とは違う。うんうん、まんずにお世話になるときがくるなんて、うん、感慨深いなあ。


『じゃああとでお邪魔する！』


見えなくなったまんずにそう言うと、はいはい、と優しい返事がきた。
いつかまんずになにかあったら、わたしもチカラになれたらいいな、って思いながら段ボールを縛る紐を手に取った。






つづく

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