学パロ２

３４ ページ34

『…佐藤先輩がいうとマジっぽくてコワい』

カ「マジですうぅ」


唇を尖らせて拗ねた横顔が好き。高校生のときも、よく見た顔。
違うのは、…なんだろ、環境？それが変わっても一緒にいるって話だったんだ。

『…この世に絶対なんかないんですよ、』

カ「じゃあ俺がつくる」

『…ふふふ、かっこいい』

カ「でしょ？ね、付き合おう、俺かっこいいよ」

先輩は大真面目で、必死にわたしに請う。その真剣な顔がどこかおかしくてくすくす笑っていると、両肩をがしりと掴まれて、真正面に先輩の顔。魔法にかけられたように先輩の目しか見れなくなって、鼓動が早くなる。


カ「お願い、Aいないと寂しい。またプール行きたい、お祭りも、お願いお願い」


きっと半分ふざけて言っているんだろうけど、それがなんかわたしたちっぽくて良い。その目を見つめて、こちらこそ、よろしくお願いします、と頭を下げた。




おわり

おまけ




カ「ところで」

肩を掴む手に力を入れた先輩に違和感を感じて、はい？とかえす。先輩は急に真顔になって、わたしを睨んでいる。


カ「大学のときの彼氏について詳しく」

・・・・・・。
冷や汗をかきながら、ふい、と目を逸らすと、頬をつねられる。


『いひゃい』

カ「いえる範囲でいいから…聞きたいの、お願い」

今度は雨に濡れた子犬みたいな目で、寂しそうに見つめてくるので、ぐ、と怯んでしまう。先輩のことだから、きっとこれは演技。でも。


『わ、わかりましたよ』

カ「どっちから」

『…むこう』

カ「どこのどいつ」

『友達の友達』


カ「…ッチ」

『え、こわ』

カ「どんくらい付き合ったの」

『…んーーーー、』

カ「どんくらい？」

『自然消滅なので、…半年、とか』

カ「ふん」


顔は子犬なのに、口調は尋問するときの警察官のように鋭い。怖い。
いや尋問されたことないけど。


カ「なんで別れる感じになったの」

『いやなんか、夏、プール行ったときに首噛まれて』

カ「…プール、…噛む…」

『猫かよ、って感じですよねー、危ない人だったんで逃げた感じです。束縛キツいし俺様だし。ほんと怖かったー、思い出すのも嫌だ、・・・・・先輩？どうかしました？』



うつむいて、ぷるぷる震える先輩顔を覗き込むと、がばっと顔をあげた先輩が叫ぶ。


カ「Aはほんっと男を見る目がない！！！！！！！！」

『ブーメランですよ、それ』




おわり

お付き合いありがとうございました
お粗末様です

番外編　１→←３３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す