学パロ２

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カ「…おいおい」

玄関と撮影部屋でおもろそうなものを拾って部屋に戻ろうとすると、リビングに丸まった塊を見つける。Aがまたソファに転がっていて。風呂入ってまたそこ戻ったんかい。

カ「A！布団で寝な！」

さっきより強めに言うと、髪の毛がまだしっとりと濡れたAが目を擦りながら起き上がった。そんな飲んだのかな、って心配と、誰と？っていう疑問と。
その両方を飲み込んで、見守ることしかできずに起き上がったAの前に立ち尽くす。


カ「・・・・？」


目を擦ったAは、とろんとした目で俺をとらえると両腕を伸ばしてくる。理解できなくて、とりあえずその手を握った。


『…連れてって』

瞬間、
ドーン！って胸を撃ち抜かれて苦しい。こんなことある？信じられない。
どこに連れてけばいいの、俺の部屋でいい？
いやいやいや、いかん。


仕方なくそーっと手を伸ばして触れると、首に腕が回る。そのまま持ち上げると、自然と抱え上げるかたちになる。…お姫様抱っこやん。


ま「・・・・・・」

そのまま階段に向かおうと落とさないよう体の向きを変えた。ら、階段にまんず。


カ「…(ち が う)」

ま「…」

おおきな声で否定したくても、Aを起こしてしまうのが怖くてぱくぱくと口を開けたり閉じたり。俺の口パクの違う、を理解したのかそうじゃないのかわからんけど、まんずはなにも言わず、そのままキッチンに行ってしまった。
…終わった。俺の先輩としての威厳ゼロ。終了のお知らせ。
おれはこの先、後輩に寝落ちした女性を持ち逃げする男として見られる。


カ「よいしょ、っと」


腕が限界だったので、急いでAの布団に運ぶ。っていうか腰もヤバいし。でも好きな人を抱えることができる男でいれてよかった。高校のときだと無理だった、たぶん。いろんな意味で。


布団に転がされたAは、すこし動いたあと落ち着く場所をみつけたらしく動かなくなった。顔にかかった髪をそっとどかして、軽く頭を撫でる。かわいい。中身はあんまり変わってないけど、見た目と体つきは変わった。…それは俺もか。


カ「…おやすみ」


今日Aと飲んだやつも、たぶんこの顔は知らない。
そう思うとまあ我慢できるかな、と思った。




つづく

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