学パロ

まんずです ページ39

カンタside

『まんずです！』

トミーと屋上で話していると、扉が開いてAとあの一年が入ってきた。トミーを見ても特に顔色を変えずに、首だけでぺこりとおじぎしたソイツは、まんずというらしい。


『幼馴染です』

ま「近所に住んでて親が仲いいだけです」

『ちょっと！』

Aの扱いがうまいのが分かる。嬉しそうににこにこしたAが、俺とトミーに手を向けて、佐藤先輩と富永先輩、と言った。


ト「おう」

カ「…おー」


その一年は順に俺らを見て、Aになにか耳打ちした。瞬時に殺気立った俺に、トミーがイヒヒって笑って、一年の言葉が聞き取れなかったAは不思議そうになに？って。


ま「ああわかったからもういいです」

ト「どっちが彼氏かって？」

ま「…そうっす」

『ああ！そっか、昨日ちゃんと言ったよ、怖くないほうだって！また話聞いてない！』

ま「覚えてない」

『はあ！？』

速いテンポのやりとりに入れない。なんなの。


ト「なあA、カンタ怒っちゃうよ？」

『？ なんでですか？』

ま「…」

ト「なあ一年、甘いもん好き？購買いこーぜ」

にやにやしたトミーがよいしょって立ち上がると、一年と肩を組んで屋上から出ていった。
俺は座ったまま、手にしてたカレーパンを一口かじる。


『せんぱい？』

隣にすとん、って座った彼女とは目を合わせずに、はい、って返事だけした。

『…先輩、甘いもの嫌い？』

カ「…チョコは好き」

『じゃあ今度、一緒にパフェ食べに行きません？大きいの、』


カ「…行く」

もぐもぐもぐ。カレーパンを口に押し込みながら、にやけるのを耐える。雑魚いなぁ、俺！




翌日の購買。

カ「あ」

ま「…あー」


知らん人と同じあんぱんを掴んで、顔をあげるとあの一年だった。いつもだったら譲るけど、コイツにそれはできん。


カ「…じゃんけーん、」

ま「ポイ」

俺はグー、一年はパー。


カ「・・・やるよ。」


めっちゃ悔しかったけど、あんぱんから手を離した。


ま「ありがとうございます」

なんかずっと余裕そうで、どうしても一発かましたくて、


カ「パンはくれてやるけどな、パンは！」


暗に釘をさすと、購買のおばちゃんにお金を払いながら鼻で笑った一年。


ま「別に盗ったりしないんで安心してください、」


それじゃ、ってあんぱんを掲げると去っていったソイツに、心の中でバーカ！って言いながら余ったチョココロネをやけくそで買った。



むかつくううう！

おわり

今年もプール→←３８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す