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佐藤先輩は、呆れたように笑ってちゃんと勉強しなね、って呟いた。いつもみたいに、くしゃ、って笑うのではなく、どこか気遣うような他人行儀な、顔で。富永先輩は、今回は俺80点以下はなかった、っていってわたしをぎろり、って睨む。
またしてもお二人に挟まれて、かすんでいくわたし。じわじわと悲しくなってくる。


カ「じゃー俺いくわ、…A、わかんないとこあったら言ってね、俺でよかったら教えられるとこあるかもだし、」


『…はい、』


なんとか絞り出して、返事をすると、可哀想な子を見る目をした佐藤先輩は、去っていった。
その背中が見えなくなると、力が抜けてうつむいた。黙るわたしに、しびれをきらした富永先輩が、ぶっきらぼうに言う。



ト「俺は教えるとかできねーから聞くなよ、」


『…』


ト「…あ?」


『…う、』


ト「は!?何泣いてんの!!」

『…う、…っ、』

我慢できずにぼろぼろなく私を、驚いた顔でみる富永先輩。平和な屋上が、急に危ない場所に思えて怖い。
お化粧したり、勉強して、お二人と並んでも恥ずかしくない人になりたかった、とべそべそ説明すると、富永先輩は大きくため息をついた。


ト「…あのなあ、」


『富永先輩だって本当は殿様の息子でしょう、城下町に降りて庶民の暮らしを体験しているんでしょう、』


ト「だれがバカ殿だよ」


『町娘をたぶらかしてっ、…うっ、』


ト「お前が町娘?無理あんなあ」


『佐藤先輩は黒船』


ト「ザビエルじゃん」


『王子様ぽいから』


ト「ハゲの?」


『…バカ殿とザビエル、…ぷぷぷ』


白タイツの佐藤先輩と、金色の着物に白塗りの富永先輩を想像して笑う。この二人の隣に立つには、めちゃくちゃインパクトがなくちゃだめだ。

ト「泣いたと思ったら笑って忙しいやつだな。ったく、…別に普通にしてりゃいいだろ、お姫様なんか求めてねーし。でも勉強はしろよな、マジで。」





つづく

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社長室(プロフ) - じゅんりさん» お気遣い本当にありがとうございました。更新は未定ですが、眠っている短編からアップしていこうと思っています、その時はよろしくお願いします。 (2020年1月8日 22時) (レス) id: 4147535b1c (このIDを非表示/違反報告)
じゅんり(プロフ) - お気づきになったみたいで良かったです(^^)社長室さんの書く作品大好きなので、また作品上がるのを楽しみにしてます(^^)! (2020年1月7日 10時) (レス) id: a9d9714e3d (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - じゅんりさん» コメントありがとうございます。インスタには載せておりませんので無断転載になります。じゅんりさんのコメントでアカウントも把握することができました。ありがとうございます。放置ぎみになっていたところにわざわざコメントいただいて感謝です。出来る限り対処します (2020年1月6日 23時) (レス) id: 4147535b1c (このIDを非表示/違反報告)
じゅんり(プロフ) - 社長室さん初コメ失礼します。インスタに、こちらの学パロ載せたりしてませんよね?無断転載されていると思います。アカウント名など、もしお知りになりたい場合はお教えします。私もいち書き手、いちファンとして許せないので不適切アカウントとして報告しておきますね (2020年1月3日 22時) (レス) id: 035108e004 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - おかきさん» コメントありがとうございます!終わるとみせかけて終わりません、すみません!よろしければもう少しお付き合いください〜 (2019年5月28日 13時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:社長室 | 作成日時:2019年3月25日 23時

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