学パロ

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カ「…ん。」

『…ん？』

カ「……ん！！！」

ずい、って伸びてきた右手をどうしたらいかわからず、反射的に握手する。


カ「ちっがうよ！」

『…え、すみません』

ぱ、っと手を離されて、こっちも手を下げて謝る。なんだろう、ちゃんと言ってくれなきゃわかんない。っていうかちょっと怖いし。
困り果てていつもの屋上の景色をぐるり、と見ても心当たりが何もない。


カ「ちょ、」

『ちょ？』

カ「こ」

『こ…ああ！！チョコ！ありますあります、待って、』






さて、時間を戻して、夏休み後のわたしの話です。
楽しくて充実した夏休みが終わってから、じわじわと現実に戻ってきて、夢みたいな時間だったことを自覚して。そして。

まあ端的に言うと、しんどくなった。


おしゃれもメイクもばえる写真撮るのもそこそこ楽しくてクラスの子と恋バナとかしたりして。自分もまがりなりにも女子高生。承認欲求が特別強いわけじゃないけど、そこが満たされるとまあまあ嬉しい。そうやって時間をつかっているうち、大好きなお笑いがあせてくる。そのときは、理由は分からなかった。
右手の人差し指、左手の薬指、腰、膝、自分の体に見えない細い糸が絡んでいく。徐々に動きにくくなる。同じ動作しかできなくなって、新しいものに敏感なはずが、おなじことを繰り返して頭を使っていないような感覚。スマホには高校にはいってから落としたアプリがたくさんあって、それを見ていれば時間をつぶせるようになっていて。そこそこ楽しいことに時間をとられると、どんどん自分が分からなくなる。


そこに、本気じゃないから。






つづく

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