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カンタside



カ「いや、…Aのこえ、が、」


三人で並んで校庭に向かうと、ひと際大きな声援が上がる。アンカーがゴールしたらしい。



『あ!もしやわたしうるさかったですか!めっちゃ応援したから!』


カ&ト「・・・・」


『え、ごめんなさい、嘘、わたしの大声にびっくりしたんですか、ほんとに?』


慌てて申し訳なさそうな顔をし始めたAに、俺とトミーは言葉を失った。トミーの腕が伸びてきて、肩を組むようにして、ポン、と叩かれた。思わずうつむいて、両手で顔を隠す、俺。


ト「カンタドンマイ。…A、お前はひどい」


『えっ、なんで、…ええ、佐藤先輩ごめんなさい!』


カ「…Aなんかもう嫌い」


『ええ、やだ、ほんとにごめんなさい』


頭を下げそうな、むしろ土下座しそうなAに、吹き出してするっと言葉が零れ落ちる。




カ「ウソウソ、…好きだよ。」



『わたしも!』



ぱあ、と笑顔になったAにつられてにこにこする俺を見たトミーが、めんどくせえ、って安心したように笑った。








結局つかず離れず、友達としては少し近い距離のまま俺らは3年になろうとしている。体育祭のあとだんだん寒くなって、すぐに冬がきた。冬は寒いから嫌いらしいAはあからさまに付き合いが悪くなって、屋上も寒いから無理、って。学食行ってもいいけど、なんだかんだうるさく騒ぎたてたい女子がちらちら見てくるので、それをなぜかトミーが嫌がって、一度3人で行ったきり。


クリスマスプレゼントにAから手袋をもらったので、お返しに困って母に聞いたら近所の人にも話したらしく、それ以来ぬるい笑顔でみられるのが本当にしんどい。
お返しは一緒に買いに行くかなーって思ってたんだけど、結局予定が合わず。初詣も寒いっていってAは出てこなかった。




つづく

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社長室(プロフ) - じゅんりさん» お気遣い本当にありがとうございました。更新は未定ですが、眠っている短編からアップしていこうと思っています、その時はよろしくお願いします。 (2020年1月8日 22時) (レス) id: 4147535b1c (このIDを非表示/違反報告)
じゅんり(プロフ) - お気づきになったみたいで良かったです(^^)社長室さんの書く作品大好きなので、また作品上がるのを楽しみにしてます(^^)! (2020年1月7日 10時) (レス) id: a9d9714e3d (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - じゅんりさん» コメントありがとうございます。インスタには載せておりませんので無断転載になります。じゅんりさんのコメントでアカウントも把握することができました。ありがとうございます。放置ぎみになっていたところにわざわざコメントいただいて感謝です。出来る限り対処します (2020年1月6日 23時) (レス) id: 4147535b1c (このIDを非表示/違反報告)
じゅんり(プロフ) - 社長室さん初コメ失礼します。インスタに、こちらの学パロ載せたりしてませんよね?無断転載されていると思います。アカウント名など、もしお知りになりたい場合はお教えします。私もいち書き手、いちファンとして許せないので不適切アカウントとして報告しておきますね (2020年1月3日 22時) (レス) id: 035108e004 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - おかきさん» コメントありがとうございます!終わるとみせかけて終わりません、すみません!よろしければもう少しお付き合いください〜 (2019年5月28日 13時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:社長室 | 作成日時:2019年3月25日 23時

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