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カンタside
『ひひひー』
トミーみたいな笑い方をしたAが、すいすい流れていく。髪から垂れる水滴がうざくて、髪をかき上げたあと、バシャン!と水面を叩いて泳いで追いかけた。
カ「つかまえた、」
カーブに差し掛かるところで、Aの浮き輪につかまる。こんなん、後ろから抱きしめ…いやもういいや、今日はそういうのいい日!
『先輩泳げるの?』
カ「まあ人並みには。」
『何でも出来るなあ』
カ「そう?」
『うん』
カ「そうかあ」
『うん。王子様みたい』
カ「それ聞いた。ザビエルって言ったろ、トミーに」
『わ、あ、ちょっと』
トミーが真顔で、Aから見ると俺がバカ殿でカンタはザビエルなんだってよ、って言ってたのを、思い出してムカムカして水をかける。
『ご、誤解です!』
カ「なにがどう誤解なんだよ」
『おっ、王子様っぽいなあって思ったのでぶふふふふ』
眉間にしわを寄せて必死だったくせに、途中から我慢できなくなったAが、ぶふぶふ、って笑ってる。あ、もうぜったい許さない。
カ「…おりゃ」
水面を叩いてAに水をかけると、Aはぎゅ、と目を瞑ってからぷるぷるって頭を振った。犬みたい。
『顔はやめて!アイドルやで!』
カ「・・・・」ばしゃばしゃばしゃばしゃ
『わ、…うぷ、』
目の化粧が落ちないように、下まぶたを撫でるみたいにして笑ったAは、うそうそ、って言って、浮き輪から抜ける。
『はい、今度は先輩がつかって』
流れるプールの底を蹴ってAが上下するたび、・・・・うん。
カ「いいよべつに、A使えば」
『わたしが押してあげます、ほら、はやく、』
大きな浮き輪を頭からぼす、っとかぶせられて、しぶしぶ浮かんでみる。普通に泳げるし、こんなカラフルな浮き輪いらんけど。Aが後ろにつかまって、俺の耳元できもちいいですねえとかいうからもう。そうだなあ、って言うでしょ。
つづく
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社長室(プロフ) - じゅんりさん» お気遣い本当にありがとうございました。更新は未定ですが、眠っている短編からアップしていこうと思っています、その時はよろしくお願いします。 (2020年1月8日 22時) (レス) id: 4147535b1c (このIDを非表示/違反報告)
じゅんり(プロフ) - お気づきになったみたいで良かったです(^^)社長室さんの書く作品大好きなので、また作品上がるのを楽しみにしてます(^^)! (2020年1月7日 10時) (レス) id: a9d9714e3d (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - じゅんりさん» コメントありがとうございます。インスタには載せておりませんので無断転載になります。じゅんりさんのコメントでアカウントも把握することができました。ありがとうございます。放置ぎみになっていたところにわざわざコメントいただいて感謝です。出来る限り対処します (2020年1月6日 23時) (レス) id: 4147535b1c (このIDを非表示/違反報告)
じゅんり(プロフ) - 社長室さん初コメ失礼します。インスタに、こちらの学パロ載せたりしてませんよね?無断転載されていると思います。アカウント名など、もしお知りになりたい場合はお教えします。私もいち書き手、いちファンとして許せないので不適切アカウントとして報告しておきますね (2020年1月3日 22時) (レス) id: 035108e004 (このIDを非表示/違反報告)
社長室(プロフ) - おかきさん» コメントありがとうございます!終わるとみせかけて終わりません、すみません!よろしければもう少しお付き合いください〜 (2019年5月28日 13時) (レス) id: 37f3407064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:社長室 | 作成日時:2019年3月25日 23時