彼らの選択 ページ50
ミス「盗み聞きとは感心しないな?」
Aが去った後、ドアに向かって声をかける。
ジャ/ダル「…」
ミス「今の話を聞いて君たちはどうする?」
ジャ「どうするって…僕らがリクルートしてきた人間は、いずれ彼女みたいになるんだから、問題ないでしょ?」
ダル「スキャターだって人間だけど、ヴィランズになるために修行してるしね!」
ミス「確かにスキャターは人間からヴィランズになるために頑張っているようだな。だが、Aは本当にヴィランズかい?」
ダル「どういうことだ!ジャック!」
ジャ「僕にも分かんないよ。」
ミス「最初のうちは彼女の働きにとても満足していた。仲の悪い誰かさん達の喧嘩をなだめてくれたり?」
ジャ「う…」
ミス「自由すぎる君たちを引っ張ってリクルーティングを進めてくれたり…」
ダル「頼もしかったぞ!」
ミス「本当に楽しそうに仕事をしてくれていた。しかし、最近の彼女は君たちに良くしすぎていると思ってね。」
ミスターの瞳が鋭く光る。
ミス「ヴィランズとは、他人の幸せを素直に、心から願うものだろろうか。もちろん仕事に支障が出ないように少しは仲良くして欲しいが。」
ダル「それは…」
ミス「彼女がなぜ君たちのことをあそこまで思っているのか。きっと君たちと一緒にいたいはずだ。しかし、自分がいると悪い影響を与えてしまう、迷惑をかけると知った今、身を引こうとしている!」
ジャ「…自分がここにいたいなら、無理やりにでもここに残ると言えばいいのに…?」
ジャックの問いにミスターは頷く。
ミス「その通りだよジャック。欲しいものは力ずくで奪ってしまえばいい。他人に譲る必要は無い。しかし彼女はそれをしない。そんな半端な彼女をヴィランズと言えるのか?」
ジャ「言いたいことはわかったよ。じゃあミスター、人間が持っている、夢だとか希望だとかをAは知っているんでしょ?」
ミス「そうだね?それがどうかしたかな?」
ジャ「人間はそういうのが好きだ。夢や希望は上手く利用すれば、簡単に絶望に変わる。Aにはそれが出来るかもしれないでしょ?」
ジャックはコミカルな動きをしながら説明する。
ニッコリと笑顔を浮かべながら。
ダル「それができたら凄いな!」
ダルの目も鋭く光る。
ミス「無理やりここに留まらせる。それが答えかい?」
ジャ「アハハッ…欲しいものは力ずくで奪ってしまえばいいんでしょ?」
笑っていた口の端をさらに釣り上げて、ジャックは言い放った。
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ラム - 続きが気になる (2020年5月12日 23時) (レス) id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまレモ | 作成日時:2020年3月10日 20時