宣告 ページ49
ミス「今日の夜12時、私の部屋に来るように。」
ミスターに呼び出されて、廊下を歩く。
仕事のことで呼ばれることはたまにあったが、
過去にもなかったので、緊張していた。
A《私、何かしたかな…リクルーティングの成功率は高かったはずだけど…》
そんなことを考えながら、ミスターの部屋の扉を叩く。
ミス「入りなさい。」
A『…』
ミス「緊張しているかい?そうだろうねぇ…急に呼び出されたらそうなるよ。」
ハハハッと笑うミスターを見て、少し安心する。
A『ミスター、何かお話があるんでしょ?』
ミス「あぁ。そうだよ、A。少し言いずらい話でね。」
と苦笑いをし、話し始める。
ミス「君は、ここにいて楽しいかい?」
A『へ?』
意外な質問に思わず声が出る。
A『も、もちろん楽しいですよ!当たり前です!ミスターにここに連れてきて頂いてから、夢のような生活でした。』
ミス「夢のよう…ね」
ミスターの顔が曇る。
ミス「君はヴィランズになれていない。」
A『え』
ミス「あの日、君の手をとったのは私だよ。A。」
A『あの、ひ…?…ぁ、あぁ』
思い出した。あの日、タワーオブテラーの最上階から落ちた時、誰かに手を掴まれた。
あれが、ミスター?
ミス「君の思いがあまりにも強いから、だいぶ早いけどお迎えしちゃった☆この子の絶望を使えば、あるいは…と思ってね。」
手下たちを失った私の絶望を使って、私自身をヴィランズにしたの?
だから私にはマスターがいない?
いや…
A『私のマスターは、貴方…?』
ミス「う〜ん…半分そうと言えるかもね。私が1から君を作り上げた訳では無いから。それに君はリクルートされた側の、元人間だしね。」
ガタン
A『え…?』
何か音が聞こえたような。
ミス「A?どうした?」
A『いえ…少しショックで。だから私は、ヴィランズとして中途半端なんですね。人間だから、プリンセスのような、キラキラした心も…』
ミス「そういうこと。最近、あまりにもそのキラキラが出てくるもんだから心配でね。ほら…彼らには毒だから。」
ね?と目を見つめられる。
私は、今の私はここにいちゃいけないんだ。
A『少し考えます…これからについて。皆に迷惑がかかるなら私は…』
(出ていく。)
考えると言いながら、私の心はほとんど決まっていた。
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ラム - 続きが気になる (2020年5月12日 23時) (レス) id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまレモ | 作成日時:2020年3月10日 20時