【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ7)

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ランチ2 ページ7

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頼んだトマトクリームパスタを食べたらとても美味しかった。本当に料理が得意なんだなと軽く微笑む。

「こんにちは、莉子さん」

『蘭さん。こんにちは』

「隣いいですか？」

『もちろん』

声を掛けられたと思ったら、この上の家に住む毛利蘭だった。隣は空いているのでどうぞと微笑む。

『あれ、今日はご飯を食べに？』

「親友と待ち合わせてるんです」

『そっか。私は食べたら仕事に行くからごゆっくり。夏休み羨ましいなぁ』

「今日お仕事なんですね。夏休みと言っても、ほとんど部活でしたけど」

『へえ、部活は何してるの？』

「空手です」

『空手かっこいい！』

「ありがとうございます。梓さん、ミルクティー貰ってもいいですか？」

「ミルクティーですね、今お持ちします」

「それで、莉子さんは彼氏さんと会えたんですか？」

『え！うん。まぁ…』

いきなり恋人の話題を振られた。店内に恋人がいるというのに普通の声の大きさで話すので、驚きから心臓が高鳴ってしまう。

「良かったですね！莉子さんすごく会いたがってましたからね」

『そうだね。蘭さんはどうなの？』

「私ですか？私はまだ連絡もなくて…」

『そっか、それは寂しいね』

「いつもの事です。会ったらぶっ飛ばしてやるんだから」

彼の話題から蘭の好きな人の話について話題を振る。なんとか大丈夫かなと胸を撫で下ろしながら、《ぶっ飛ばす》という言葉に、空手をやっているという蘭なので、好きな人が可愛そうだと思い肩を竦めた。

その時電話が鳴り、画面を見れば職場の文字。電話に出てみれば、職員が熱中症で倒れて、人手が足りず早く来て欲しいと言うことだった。駄目だと言えるはずもなく《今行く》と返事をして携帯を切る。ここに来て彼とあまり話せなかったが、もう少し同じ空間にいたかった。しかし仕方のない事なので職場に行こうと立ち上がる。

『蘭さん、私そろそろ行くね』

「はい。またお話ししましょうね！」

『うん。お会計お願いします』

蘭に別れを告げてレジへと向かったら彼が対応してくれ、最後に話ができて嬉しく感じる。

「もう行かれるんですか？」

『ええ。ワッフル、蘭さんにあげてください』

「それは残念です。了解です。そうだ、明日車検お願いしますね。車持っていきます」

『はい、お待ちしてますね。ごちそうさまでした』

車検の事をすっかり忘れていた。会計を済ませ、また明日会える嬉しさから職場へ向かう足取りは軽くなった。