【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ40)

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仲直りページ40

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-降谷零 side-

「莉子入るぞ」

返事がなかったが、まあいいかと寝室に入ってみれば、ベッドに座り膝を抱えて頭を埋めていた。そんな莉子に近寄って隣に腰掛けた。

「莉子と出会うまでは、守りたいものが守れれば自分はどうなっても良いって思ってた。莉子と出会ってからもその考えは変わらなくて、ただ、莉子が危険な目に合わないように守らないといけない存在だって考えていた。
でも、今日、莉子の言葉を聞いて思ったよ。守るだけじゃだめなんだって。守っても自分がいなくなったら一人残されて悲しむのは莉子だよな。すまなかった」

『守ってくれるのはすごく嬉しいです…でも自分の事もちゃんと大事にしてほしい』

「うん、ごめん」

『わかればいいです』

「ありがとう」

自分の思いを伝えたら許してくれたのか、珍しく莉子から自分に抱きついてきた。
そして、付き合ってから初めて自分の本当の気持ちを話してくれた夜の事が頭に浮かんだ。確かあの時は、二人でbarへ行き、最後にレディーキラーを飲んで酔いつぶれた莉子が《ちゃんと帰ってきて》と口にしていた。それはつまり今約束したことと同じこと。

(あの時の約束忘れるなんて最低な男だ)

もう絶対に忘れないようにと、強く抱き締め返しながら脳裏に焼き付けた。

「もう一つ話があって、毛利名探偵が婚姻届の証人になるって言ってて、金曜日、二人で挨拶ついでに行こうと思うんだ」

『あれ、結婚のこと秘密にしてたんじゃ…』

「バレちゃってさ」

『行くのは構いませんけど。いいんですか？知られてても…』

「大丈夫だよ」

『って言うことは、蘭さんにも知られちゃってますか？』

「そういうことだな」

『そっか…』

「何かあるのか？」

『付き合ってる人は秘密できたから…』

「驚くだろうな」

『ふふ、そうですね』

金曜日に行くことは構わないと言っていたが、知られたことに心配する莉子。リスクが伴うが、秘密にするのは黒づくめの組織が崩壊するまでの間だ。そして、自分は組織の重要な情報を既に得ている。崩壊するのは時間の問題だろうと呑んでいた。薬で小さくなってしまっている《江戸川コナン》や《灰原哀》も元に戻れるだろう。

抱きしめる力を緩めて軽く微笑みながら莉子の頭をなでた。

「ご飯途中だろう？食べに戻ろ」

『はい…』