【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ13)

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彼女の誕生日2 ページ13

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-降谷零 side-

車検を通し、傷も癒え、車内も埃一つ見当たらないRX-7。本当に完璧に仕上がっていた。終わり間際の《頑張っているRX-7を労ってあげたかった》と言った莉子。本当に車が大好きなんだなと、微笑ましく思う。

今日は莉子の誕生日であった。本当であれば二人でお祝いをしようと考えていたが、急遽ベルモットから招集を受けた。断るわけにはいかないため、承諾をしてからベルモットと待ち合わせて、現在は隣に乗せている

「ねぇ、バーボン。車内が前より綺麗になってない？」

「車内クリーニングして貰ったからだと思いますよ。たった今取りに行ったばかりなんです」

「へえ」

「それが、何か？」

「いいえ。この車から女の匂いがするから。誰か可愛い子猫ちゃんでも乗せるために綺麗にしたのかと思って」

「はは、まさか。ベルモット、貴女の気のせいじゃないですか？女性とプライベートで会うほど僕は暇じゃないですし」

「どうかしらね。表ではモテモテらしいじゃないの」

「そんな、買いかぶり過ぎですよ」

「……まあ、いいわ。それよりも例の情報、手に入れたんでしょ？ジンが例の情報を知りたがってたから教えてあげてね」

「ああ…、アレですか。わかりました」

流石はベルモットと言った所だろうか。しかし、今回は誰かを乗せるために綺麗にしたのではなく、莉子の粋な計らいで車内は綺麗になったのだ。ベルモットの言う女の匂いというのも、車内で作業してくれた莉子の匂いなのだろう。

それでも、自分と関わりのある莉子の存在を匂わせてはいけない。恋人である事はもちろん、自分と関わりのある整備士ということなど。自分の弱みにもなるし、莉子を危険に晒す事にだってなりかねない。今はあくまで莉子とは《他人》だ。

この任務を無事に終えたら、《他人》から《恋人》に戻り、一番に莉子の元へ帰ろう。渡したいものだってあるし、おかえりと言って出迎えてもらいたい。

そんな平和な場面を思い浮かべ、ベルモットに気付かれないように笑みを溢した。

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沢山の方に読んで頂き感無量です…。

完結となるエピソードは考えているのに
なかなかそこへ繋げられないという
難事件が起きています。

まだ続くかとは思いますが
今後もお付き合いください。
よろしくお願いします。