scene.95 ページ46
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「…昔の自分が、Aに言えなくて。Aとの関係を壊したくなくて、離れていくかもと不安で、言えなかった思いは、ずっと心の底にあったんだ…」
僕、なんか、結構、臆病ものらしいんだよー、と冗談めかす
「Aに撮ってもらいたい、そのために頑張るって僕言った。覚えてる?」
「…もちろん。」
「まぁ、俳優じゃなくなっちゃったけど(笑)」
でもボクも忘れられないんだ、僕が言ったその言葉が。
それで
「Aがナムジュンの推薦で目の前に現れた時は驚いた。ホントに。それで、どう接していいか急にわかんなくなって、」
「…確かにちょっとワタワタしてたよね、(笑)」
「うひゃ!あの姿は忘れてね!?」
だんだん、雨が弱まってくる
メイクしてるソクジンくん、綺麗だけど、やっぱり何もしてない時が好きだなぁ、と思いながら横顔を見つめてた
「それから、大人になったAが大学いた時より何倍も魅力的になってて、驚いて……」
「えーと、、私ジョークをうまく返せるタイプじゃないんだけど…」
「ヤー!ジョークなんてひとつも言ってないよ!(笑)もぅ!」
「あれ、?」
「本当だって。…ジョングクやユンギがAを気に入って…2人で会ってるのとか知った時は、なんか、僕の情けなさ痛感してたし…」
「…」
「Aは美しいよ。今も昔も。《天才児》とか、《美人で天才》とか、そんなんは知らない。でも僕は…僕はAが美しいと思う。」
その言葉はすっと私の中に染み込んでいく
ソクジンくんが言う“美しい”に嘘のないこと。それが見た目なんかじゃなく、本当の私に対して向けられたものだということも____
ふと目を閉じてゆっくり開ける
「同じ言葉を貴方に贈るわ、ソクジンくん。」
「え、」
「ソクジンくんは美しいよ。今も昔も、これからも。」
するとゆっくりソクジンくんの手が私の手に乗って小さく力が込められて
「Aは初めて大学時代にできた女友達で、ずっと大切にしたい人で、僕にとって特別な人なんだ」
目を見つめられて握られた手に力が籠った
「A、さん…。僕は、Aのことが好きです。あの時大学で出会った時から、ずっと。今度は___今は、友だちではいたくないです、」
付き合ってくれとは言わない、アイドルだから、ただ
「僕はAを一生大切に想うよ。」
それだけは誓いたくて。
見つめられたソクジンくんの瞳があまりに甘く優しくて、その言葉がどれほど嬉しくて幸せか、頬に涙が伝った
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mila.(プロフ) - xts9cp5sUjUGJbjさん» 感想ありがとうございます。私も実はこの作品が気に入ってるんです笑 この作品を愛読してくださり、ありがとうございました! (2021年10月5日 17時) (レス) id: 1554483eb9 (このIDを非表示/違反報告)
xts9cp5sUjUGJbj(プロフ) - とても…とても綺麗なお話でした。作者様の言葉選びなどがとても魅力的で、物語に吸い込まれるようでした。とても素敵な作品に出会えて幸せです。これからも応援してます、 (2021年10月1日 2時) (レス) @page50 id: a176559be4 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - ももさん» ももさん、嬉しいコメントありがとうございます。「素敵な時間」を提供できたとしたら本当によかったです。これからも一緒にバンタンを応援できたら嬉しいです (2021年9月5日 14時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 美しい文章、と素敵な時間をありがとうございます。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: 7a7f3f1d7f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - まる汰さん» まる汰さんコメントありがとうございます。書いてから随分経ってもなおこうして読んでもらえて嬉しいです。ジンくんの宝石箱、、美しい表現をありがとうございます。なんだか染み入ります(笑) (2021年6月28日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年11月29日 12時