scene.90 ページ41
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「今日Aさんデートかなんかっすか」
「え、」
「…スカート姿なんて初めて見ましたよ、俺。」
「！//」
助手の男の子が「明日は大雪かもしんねー」と目を見開いた。
しまったな、…確かにいきなりスカートだなんて、おかしすぎたよね、
ぼっと赤くなった顔に「あれ、本当にデートですか」と聞かれてとりあえず首を横に振る
「ち、違うくて、その、！」
「あーいいっすよ、Aさん綺麗だからお誘いでも受けたんすよねきっと。早くAさんに春が来たらなぁーって思ってたんで俺嬉しいっす！」
「え、あ…！」
ニカッと笑って去ってく彼の背に「…デート、」と呟く。
そっか、デートか…。瞳を閉じて天を仰ぐ。思い浮かべるのはステージに立つ7人の世界的アイドル＿＿＿
「みんな、彼らを好きで、大好きで、可愛いカッコして、キレイになって、きっと、会いに行くのよね」
履きなれないスカートの裾をギュッと摘む
大きく深呼吸して、荷物を纏めて、化粧室なんかにも寄って何世紀かぶりにメイク直しして……
きっと何万人の1人。それでも＿＿＿＿
いつも会う“年頃の男の子”ではなくて、“アイドル”に会いに行くのだから…
気合いを入れ直して会場に足を運べばあまりの大きさに萎縮した。分かってはいたけれど、こんなに大きいの…!?
Vくんから“ヌナ〜！着いたら教えてね〜ちゃんとヌナのことも見て歌うね〜!!”とメッセージが入っていて、私は律儀に“着いたよ。楽しみにしています”と送り返す
アーティストのライブ自体来るのも初めてだし、何よりアイドルとして、舞台に立つソクジンくんを見ることになんでか緊張してる
『キム･ソクジン、俳優じゃなくてアイドルにスカウトされたんだってさ、』
風の便りで聞いた大学時代のあの言葉に、私はどう思ったっけ…？
周りは「アイドル？(笑)」なんて笑ってたけれど、私は新しいソクジンくんが見れるなぁ、となんともお気楽なことを思ったような気がする…(笑)
アイドルに向いてるとか向いてないとか、ダンスが踊れるとか下手だとか、そんなことは私にはよく分からない。でも
「……ちゃんと羽をつけて飛び立ったね。」
世界に。
白い羽根を纏って、大きく、羽ばたいたソクジンくん＿＿＿＿
大学時代そのままの、美しい心を忘れず。
貴方は美しくいる。
会場の熱気が高まって、そして
「わ、……っ」
世界的トップアイドルの彼らが姿を現した
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mila.(プロフ) - xts9cp5sUjUGJbjさん» 感想ありがとうございます。私も実はこの作品が気に入ってるんです笑 この作品を愛読してくださり、ありがとうございました！ (2021年10月5日 17時) (
レス) id: 1554483eb9 (このIDを非表示/違反報告)
xts9cp5sUjUGJbj(プロフ) - とても…とても綺麗なお話でした。作者様の言葉選びなどがとても魅力的で、物語に吸い込まれるようでした。とても素敵な作品に出会えて幸せです。これからも応援してます、 (2021年10月1日 2時) (レス) @page50 id: a176559be4 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - ももさん» ももさん、嬉しいコメントありがとうございます。「素敵な時間」を提供できたとしたら本当によかったです。これからも一緒にバンタンを応援できたら嬉しいです (2021年9月5日 14時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 美しい文章、と素敵な時間をありがとうございます。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: 7a7f3f1d7f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - まる汰さん» まる汰さんコメントありがとうございます。書いてから随分経ってもなおこうして読んでもらえて嬉しいです。ジンくんの宝石箱、、美しい表現をありがとうございます。なんだか染み入ります(笑) (2021年6月28日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mila.
| 作成日時：2019年11月29日 12時
