scene.81 ページ32
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V side
「お?」
廊下に立ち尽くし、リビングで笑ってるジンヒョンたちをぼーっと眺めているのは
「ジョングク?」
僕の声にゆっくり振り返る。そのなんとも言えない表情に僕は彼の手をゆっくり握りに行く
「どうしたの?」
「……僕は、…」
そう言って口を噤む。
「これ。Aヌナから預かってきたんです。今日、」
「DVD?」
「はい」
それと___
「…ヒョンに、」
「え?」
「僕は、どうしたらいいのか、分からないんです。でも今日答え合わせがしたくて、だから、これからジンヒョンとこれを一緒に見ようと思ってます。」
「……僕、なんとなくそれが何かわかるよ。」
ヌナとジンヒョンの想い出という名の宝石
向こうで“あひゃっひゃ”と無邪気に笑うヒョンの声が響いてくる。握ったグガの手に力が篭もる
「答え合わせ、ね。…いいんじゃない?僕は最後まで見届けるよ。ちゃんと、ジョングギのこと」
にま、と笑いかけると少しだけ表情を緩めた
足を進めて、マンネがホビヒョンと話してたジンヒョンに話しかける
「ヒョン」
「…んぉ?ヤー、ジョングガ、今ちょうどねっ「ヒョン。一緒に見て欲しいものがあるんです。」……ジョングガ?」
「これ__」
「!」
目を見開いて、それからゆっくり瞳を閉じる。何かを覚悟したかのように
そして
「…テヒョナはあの写真見たもんね。グギにも見せないと、不平等だよね、」
そう言って立ち上がり手に持ってきたのは額に入った写真と、小さな手帳
「これ…っ」
「うん、これが見たかったんだよね、ジョングガは」
「Aヌナが撮った、ジンヒョンの写真……。シベリアの、」
「…うん。Aから聞いたの?」
小さく頷いて壊れ物に触れるように額を受け取ると、ふっと息を吐き出して
「___美しいね、やっぱり…(笑)」
ヒョンも、この写真も。
「その手帳僕知らなーい」
そう僕が言うとホビヒョンも「ん?」と覗き込む
ジンヒョンはゆったり微笑んで、「大学時代に使ってたの。まだとってあるんだよねー(笑)」って笑って
「最後のページ、開いてみて」
言われるがまま開くと、ヒラリと舞う1枚の写真
手に取るとそれは
「わ、Aヌナだ…!!!」
「わぉ、ほんとだ。……やっぱり美人だね」
「うんうん、ボケてるのに美人なのはよくわかる」
「撮ったのヒョン?下手だねー」
「ですよね、僕もそう思います、せっかくヌナ綺麗なのに」
「ヤー!!悪口!メッ!!」
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mila.(プロフ) - xts9cp5sUjUGJbjさん» 感想ありがとうございます。私も実はこの作品が気に入ってるんです笑 この作品を愛読してくださり、ありがとうございました! (2021年10月5日 17時) (レス) id: 1554483eb9 (このIDを非表示/違反報告)
xts9cp5sUjUGJbj(プロフ) - とても…とても綺麗なお話でした。作者様の言葉選びなどがとても魅力的で、物語に吸い込まれるようでした。とても素敵な作品に出会えて幸せです。これからも応援してます、 (2021年10月1日 2時) (レス) @page50 id: a176559be4 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - ももさん» ももさん、嬉しいコメントありがとうございます。「素敵な時間」を提供できたとしたら本当によかったです。これからも一緒にバンタンを応援できたら嬉しいです (2021年9月5日 14時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 美しい文章、と素敵な時間をありがとうございます。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: 7a7f3f1d7f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - まる汰さん» まる汰さんコメントありがとうございます。書いてから随分経ってもなおこうして読んでもらえて嬉しいです。ジンくんの宝石箱、、美しい表現をありがとうございます。なんだか染み入ります(笑) (2021年6月28日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年11月29日 12時