scene.79 ページ30
.
ジョングクside
食後のホットティーが飲み終わる頃、ヌナの話が終わった。
ジンヒョンとAヌナ。一体何があったのか、2人を強烈に結びつけ続けるものは何か___それが知りたかった
「…Aヌナ、」
「ん?」
そっと視線をあげる、その仕草すら美しい
「ありがとう、」
話してくれて。そして…きっとジンヒョンの今でもアイドルとして支えになってる、ヌナの言葉も。
「Aヌナは、凄いね、(笑)」
「……ジョングクくんはちょっと私を買いかぶりすぎだよ、(笑)」
「ううん。僕、本当にこの世界に入って汚い大人達を沢山見てきた。今の自分が、多少なりともそういう人たちのお陰であるっていうのも、ちゃんと自覚してるし…」
ふっと溜息をつくとヌナがちょん、と頬に指を指す
「!」
「貴方はいつまでも無邪気に笑ってて。」
「ぇ、」
「私、ジョングクくんが笑ってるの見ると、心があったかくなるの。勿論、顔立ちも素敵だし、スタイルも良くって、歌もダンスも…ソクジンくんがよく話してたのは、貴方のことだったのかもね(笑)」
それでも
「1カメラマンとして、ジョングクくんの最大の魅力は、その瞳だと思うよ、」
「瞳?」
「ビー玉のような、澄んだ綺麗な目。濁りのない…煌めいてるの、」
私、カメラを向けるとどうしても貴方の瞳を撮りたくなる、とヌナが肩を竦めて笑った
「…ジンヒョンを撮ったそのビデオは、今どこに?」
「私が持ってるよ。写真はソクジンくんも持ってるはず…捨てられてなければ(笑)」
「捨ててるはずがないよ」
「…だといいな、」
ヌナはゆっくりカップを置いて静かに微笑んだ
「僕、そのビデオ見てもいい?」
「…うん。いいよ、今度持ってくね」
大したものじゃないけど、と言って
「今日はありがとう、ジョングクくん。久しぶりにこんなに素敵なお食事だった。身綺麗にもしてもらっちゃって…」
「ねぇ、最後に我儘言っていいかな」
「?」
「僕と一緒に写真撮って。綺麗な夜景を背景に着飾った僕達が写った写真。」
勿論ヌナは承諾してくれて、お店の方に僕のカメラを手渡し数枚撮ってもらう
「ねぇ、Aヌナ…」
美しいヌナが僕を見上げる
「きっとヌナは、こういう作られた《美》を美しいとは思わないんだろうとわかってて、僕のエゴでヌナを最大限に着飾らせて、僕も正装して、この街一番のお店に来た」
「ジョングクく…」
「ごめんね。…僕は、僕ができる最高の美をヌナと完成させたかっただけなんだ____」
934人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mila.(プロフ) - xts9cp5sUjUGJbjさん» 感想ありがとうございます。私も実はこの作品が気に入ってるんです笑 この作品を愛読してくださり、ありがとうございました! (2021年10月5日 17時) (レス) id: 1554483eb9 (このIDを非表示/違反報告)
xts9cp5sUjUGJbj(プロフ) - とても…とても綺麗なお話でした。作者様の言葉選びなどがとても魅力的で、物語に吸い込まれるようでした。とても素敵な作品に出会えて幸せです。これからも応援してます、 (2021年10月1日 2時) (レス) @page50 id: a176559be4 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - ももさん» ももさん、嬉しいコメントありがとうございます。「素敵な時間」を提供できたとしたら本当によかったです。これからも一緒にバンタンを応援できたら嬉しいです (2021年9月5日 14時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 美しい文章、と素敵な時間をありがとうございます。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: 7a7f3f1d7f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - まる汰さん» まる汰さんコメントありがとうございます。書いてから随分経ってもなおこうして読んでもらえて嬉しいです。ジンくんの宝石箱、、美しい表現をありがとうございます。なんだか染み入ります(笑) (2021年6月28日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mila. | 作成日時:2019年11月29日 12時