scene.76 ページ27
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ジョングクside
「わぁ、素敵なデザート…」
そこは女性らしいというか、美しく彩られたデザートプレートを眺めて目を輝かせた。
…もう、コースも終わり。
一面ガラスの個室。ビルの最上階。高級レストラン。
きっと数々の恋人たちがここで時をすごし、プロポーズでも成功させたんだろう、と思う
「これなにかなぁ…?ね、ジョングクくんっ」
ふふ、と笑うAヌナは世界一美しい。可愛い。
離したくない。
「……それで、夏休みにシベリアに?」
それでも最後まで聞かないと、聞きたくないけど、聞かないといけない。僕もこの先に進むために_____
“…な、夏でも結構冷えるね、やっぱり”
ソクジンくんはダウンを着て体を抱きしめた
“えっと、…1回ホテルに寄って、それからバス移動なんだけど、大丈夫そう?”
私がそう尋ねると優しく笑って機材の入った重い手荷物を何も言わずに手に持ってくれた
“え、あ…っ!”
“とりあえず市内行きのバスね、えっと、こっちかな”
8/5
それが私たちがシベリアに到着した日だった。
“たくさんいるといいね、白鳥。見るの初めてかも”
“…小さい時に、両親が1度日本の北海道ってところに連れて行ってくれて。そこで見たの。白鳥。”
綺麗だったなぁ……
そう呟くと、彼が微笑んで“Aのその顔は、本物。”
“?”
“心の底から何かを美しいと思った時、その顔してる(笑)”
ニッと笑う彼に
“じゃあソクジンくんは笑うと口がUの字になるの、知ってる?(笑)”
“エッ?”
“こうやって…こう…口角が…なんか、赤ちゃんみたいだよ、”
指で自分の口を動かすと彼が手を叩いて笑いだした
“あっひゃっひゃ!Aそれやめて…!Aがやるとただの変顔だから!ぶっ、(笑)”
“ひ、ひどい…っ”
だってほんとにこんな顔だよ?と言うと“ヤー、僕はハンサムだから何しててもハンサムなの。ね?笑ってる時も勿論ハンサム。今もハンサム。…でしょ?”
“……キャラ?”
アイドルのキャラなの、それ…?
と言うと
“…そう思うことにしたんだ。そうでもしないと生き残れない。僕、なんも取り柄ないから。歌もダンスも、ラップもさ、すっごい上手い子達ばっかりの中、最年長で。スカウトされたってことくらいしか自慢がない、笑っちゃうでしょ?”
ガタガタとバスに揺られながら、私は初めて明かされるアイドルのソクジンくんの話を聞いていた
“欲張りになったってしょうがないから。ね、”
僕の売りは、顔。
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mila.(プロフ) - xts9cp5sUjUGJbjさん» 感想ありがとうございます。私も実はこの作品が気に入ってるんです笑 この作品を愛読してくださり、ありがとうございました! (2021年10月5日 17時) (レス) id: 1554483eb9 (このIDを非表示/違反報告)
xts9cp5sUjUGJbj(プロフ) - とても…とても綺麗なお話でした。作者様の言葉選びなどがとても魅力的で、物語に吸い込まれるようでした。とても素敵な作品に出会えて幸せです。これからも応援してます、 (2021年10月1日 2時) (レス) @page50 id: a176559be4 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - ももさん» ももさん、嬉しいコメントありがとうございます。「素敵な時間」を提供できたとしたら本当によかったです。これからも一緒にバンタンを応援できたら嬉しいです (2021年9月5日 14時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 美しい文章、と素敵な時間をありがとうございます。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: 7a7f3f1d7f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - まる汰さん» まる汰さんコメントありがとうございます。書いてから随分経ってもなおこうして読んでもらえて嬉しいです。ジンくんの宝石箱、、美しい表現をありがとうございます。なんだか染み入ります(笑) (2021年6月28日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年11月29日 12時