scene.75 ページ26
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「ジンヒョンが?そんなこと言ったんですか?」
「うん。…でも、…嬉しかったの。」
最後になる作品が、私が美しいと思っている人を被写体に、私が好きなように自由に撮れるんだ、って思ったら、
「また泣いちゃって、(笑)そしたらソクジンくん、笑っちゃうくらい慌てて“ひゃをわ”とかなんとか変な声出して手をパタパタさせて…(笑)」____
そう、ぶわっと嬉し涙を流した私に必要以上に慌てた彼が変な動きをするからおかしくって笑った
“ふふふ、…あはは!”
笑顔になった私にきょとんとして
“ン?お!?”
“ふふ、ありがとうソクジンくん。それじゃあ早速貴方のためにどんな作品にするか考えなきゃ…!”
ふわっと笑いかけると、ほっと肩を撫で下ろして彼も微笑んだ
“いやーー…Aに泣かれるとこんなに焦るなんて自分でもびっくりした、、(笑)”
優しいソクジンくん。いつも《天才児》扱いせずに傍にいてくれて、アイドル事務所に入って努力し続けるその姿に、私も刺激を受けて…
“……貴方に会えて、よかった。”
“!?”
びくん!と肩を揺らして、じわじわと耳を赤くする
“あ、あのさ、…っ!そういうのは、簡単に言わない方がいいよ!特にAは!ね!?いい!?”
“…?”
“…はぁ、どんだけ僕が変な虫が寄り付かないようにしてるか…”
ぶつぶつ言いながらも
“僕も。この大学入って良かった”
だって、
“Aに出会えて、こうして笑い合えるから___”
ふ、と笑うとUの字になる愛らしい口。二人の間を柔らかい風が通り抜けた
“____白鳥…”
“へ?”
“そうだ、…白鳥…”
ソクジンくんに会ったあの日から、彼の美しさはまるで白鳥のようだと感じていて
“…白鳥。撮りたい。”
ぽつりと呟いた言葉に、ソクジンくんは口を半開きにして
“じゃあ時期的に冬まで待たないとだね、”
“ううん。逢いに行くの。”
“え゙。”
“……シベリア…シベリア行こう。ソクジンくん、!”
あんぐりとはまさにこの事で。
真夏のシベリア
9月にはこっちに渡ってきてしまうから
“夏休み、一緒にシベリアに行かない…?”
お願いと言うと、優しい笑顔で
“Aが最後に撮る作品に僕が出れるんだもんね。しかもシベリア!? 最高じゃない!? ヤー!! 同期に自慢して回れるや!”
あひゃひゃと手を叩いて笑った
ありがとうと手を握るとまた固まったけど、そうして私たちは真夏のシベリアへ行くこととなったの
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mila.(プロフ) - xts9cp5sUjUGJbjさん» 感想ありがとうございます。私も実はこの作品が気に入ってるんです笑 この作品を愛読してくださり、ありがとうございました! (2021年10月5日 17時) (レス) id: 1554483eb9 (このIDを非表示/違反報告)
xts9cp5sUjUGJbj(プロフ) - とても…とても綺麗なお話でした。作者様の言葉選びなどがとても魅力的で、物語に吸い込まれるようでした。とても素敵な作品に出会えて幸せです。これからも応援してます、 (2021年10月1日 2時) (レス) @page50 id: a176559be4 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - ももさん» ももさん、嬉しいコメントありがとうございます。「素敵な時間」を提供できたとしたら本当によかったです。これからも一緒にバンタンを応援できたら嬉しいです (2021年9月5日 14時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 美しい文章、と素敵な時間をありがとうございます。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: 7a7f3f1d7f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - まる汰さん» まる汰さんコメントありがとうございます。書いてから随分経ってもなおこうして読んでもらえて嬉しいです。ジンくんの宝石箱、、美しい表現をありがとうございます。なんだか染み入ります(笑) (2021年6月28日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年11月29日 12時