scene.72 ページ23
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ジンside
「思い出?」
「そ!いっちばん大事にしてる思い出、あるでしょ?」
テヒョンがにっこり笑って、それから
「今日は僕も聞きに来ましたっ」とジミン
「はぁ…いつもは僕に誰も興味ないのに!!Aのこととなると変わるよね!? なに!? ヤー、僕悲しいんだけど…!!」
「違うよーー。大好きなヒョンと、大好きなヌナの話だから聴きたいの!」
「それで?テヒョンに聴きましたけど、大切にしてる1枚の写真があるとか?(笑)」
僕があの日手にしていた額に入った写真。
仕方なくジミンにも見せると
「……ヒョン。変わらないですね」
と言ってから
「ヌナって、凄いんだね。」と微笑んだ
「……この時の話が聞きたいんでしょ?」
「はい。だって、なんでこんなとこ行ったのか、付き合ってもない男女二人が、こんなとこ行くなんて変だもん、」
テヒョンのその言葉にふっと息を吐く
「____僕が臆病だっただけだよ、(笑)」
好きだ、と一言言えばいいのに。言えなかった。大事だ、そばにいるよって、言えなくてただ横にいて笑うことしか……
「んー、伝わってたと思うけどね。ヌナには」
「え?」
「Aヌナは、そういう人の気持ち、すぐにわかってくれる人だよ。だから、ヒョンがどれ程ヌナを大切に思ってたかはわかってたと思う。恋愛感情とまで思ってたかは分からないけど」
「ま、とにかく!この時の話聞きたいですよ。早く話してください」
とジミナに急かされ、もー、うちの子たちは…(笑)と笑いながら、そうだなぁと思い出す
______大学4年 夏
普段通り講義が終わって外に出る。同期が話をしていてよく聞けば「映像科から推薦で2名が大きな世界的なコンペに出展するんだ」ということだった
つまり「《天才児》さんは確定だから、そのひと枠の奪い合いだ」と話題になったのだった
確かにAはその代表に選ばれた。学校の掲示板に張り出されたのを、僕も確認した
おめでとう、と声をかけるべきか____
少し迷って、でもやっぱり凄いことだから「Aおめでとう。」そう微笑めば、彼女も微笑み返す
「…2つ。」
「え?」
「2つ、作品を作ろうと思うの。出品できるのは1点だけど…」
「…」
「うち1つは、本当に私が撮りたいもの。そしてもう1つは……」
その先を口を噤んでしまったがすぐわかった。
_____教授や審査員の好みに合いそうな作品
「2つ」
「…うん、」
「2つ、提示して、どっちか、選んでもらおうと思う」
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mila.(プロフ) - xts9cp5sUjUGJbjさん» 感想ありがとうございます。私も実はこの作品が気に入ってるんです笑 この作品を愛読してくださり、ありがとうございました! (2021年10月5日 17時) (レス) id: 1554483eb9 (このIDを非表示/違反報告)
xts9cp5sUjUGJbj(プロフ) - とても…とても綺麗なお話でした。作者様の言葉選びなどがとても魅力的で、物語に吸い込まれるようでした。とても素敵な作品に出会えて幸せです。これからも応援してます、 (2021年10月1日 2時) (レス) @page50 id: a176559be4 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - ももさん» ももさん、嬉しいコメントありがとうございます。「素敵な時間」を提供できたとしたら本当によかったです。これからも一緒にバンタンを応援できたら嬉しいです (2021年9月5日 14時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 美しい文章、と素敵な時間をありがとうございます。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: 7a7f3f1d7f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - まる汰さん» まる汰さんコメントありがとうございます。書いてから随分経ってもなおこうして読んでもらえて嬉しいです。ジンくんの宝石箱、、美しい表現をありがとうございます。なんだか染み入ります(笑) (2021年6月28日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年11月29日 12時