ep.70 ページ21
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V side
翌日いい匂いで目が覚めた
「…おはよ。Aちゃん」
目を擦りながら歩いていくと、テーブルには綺麗に食器が並んでて
「オッパ!おはようございます」
洗面台のところにタオル置いてあるので使ってください、と笑った
戻ってくると
「今トースト焼けたので…!」
どうぞ、と並ぶプレート。
「……いつもこれ食べてるの?」
「ええ、まさか、!自分のためにこんなにちゃんと準備しませんよ〜」
“今日は特別です”
「昨日、約束して寝たから。ちょっと張り切っちゃいました、…(笑)」
湯気のたつスープ。焼き立てのパン。
じわっと体に染み込んでく
「おいしい。Aちゃん、毎日これがいい」
「ダメです、今日だけです、ちゃんと家に帰って寝てください」
「ええ〜、 “にほんご!がんばるから!あー、…すき!!”」
「都合の良いように “すき” を使うのは禁止です」
「“うう〜、僕、ほんとうにすきです、おー、こころのそこから、あいしてますっ”」
「“そうやっていろんな人を誑かしてきたんですね”」
「お?」
___ taburakasu?
「“あー、むじゅかしいことば、どういう意味ですか”」
そう言うとふふっと笑って「…オッパの愛嬌がずるいってことですよ(笑)」と言った
パンを頬張りながら、ふと思う
「…昨日みた映画、よかったね。あんな風に、誰かを愛するって、いいね。」
蘇る美しいシーン。Aちゃんの隣で、肩くっつけて観た、あの映画。
「こうやって、毎日、好きな子の顔見れたら、幸せだね。」
「…オッパ、?」
映画の中の恋人と、僕とAちゃんを重ねて
ゆっくり、彼女の頬に手を添えて、唇を親指でなぞった
そうして、触れるだけのキスを落とす
「ッ、!!」
「…僕は今、しあわせだよ。」
白くて綺麗な指をゆっくり撫でると、じわじわ顔を赤くした
「嘘じゃないよ。本当に幸せでいられるんだ。今世界が滅びても、いいくらい。」
ぱちん、と目が合う。朝の光で、グレーの綺麗な目がキラキラしていた
「…ねぇ、もう一回していい?」
うん、と小さく頷いた彼女に、もう一度口付ける
「……僕以外に、そんな顔、しないでね」
僕だけに見せて。
「…Vさん、また朝ごはん一緒に食べましょうね」
「うん。“やくそく”」
「はい。…“約束です”」
僕が昼夜問わず彼女の家に入り浸るようになったのは、ちょうどこの日からだった
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mila.(プロフ) - 月のひかりさん» 他の作品でもコメントくださりましたよね、ありがとうございます、、!嬉しいです。気ままに更新頑張るので、楽しみにしていただけると嬉しいです! (2019年11月22日 23時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - りんかさん» りんかさん。コメントありがとうございます。返信遅れてごめんなさい、、とっても嬉しいです!誰と結ばれるのか、楽しみに待っててもらえると嬉しいです。続編に移行しましたので、今後もお付き合いくださると幸いです(^^) (2019年11月22日 23時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
月のひかり(プロフ) - あーーもう本当に大好きです、このお話!!! (2019年11月20日 22時) (レス) id: 29553fe515 (このIDを非表示/違反報告)
りんか - 主人公はテヒョンと結ばれるのですかそれともそれとも、、うぅ、、続きが常にきになります!これからも楽しみにしています^_^mila.さんのペースで更新頑張ってください! (2019年11月20日 21時) (レス) id: b1eff33979 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - めぐさん» めぐさん、ありがとうございます。とても嬉しいです。楽しみにいていただけるよう、更新頑張りますね! (2019年11月20日 2時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年11月1日 8時