誰も「男」だなんて言ってません 2 【BTS】

ep.68 ページ19

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Suga side


楽屋の隅で、一人じっと携帯と睨めっこしてるジョングガ


＿＿＿イメトレでもしてるのか？



でもイヤホンはしてないし、動画を見てるって訳でもなさそうで


「これ。マネヒョンから」


頼まれていたものを渡そうと近づくとハッとして携帯を隠した


「あっ、ああ、ありがとうございます」
「ん。」


チラッと見えたのは




「…Rouか、」



一緒に旅行行ったとかなんとか言ってたっけか。最初から二人は仲良くしてたが、最近特に親密なように思う

テヒョンもテヒョンでふらっと宿舎から消える時があって。
RMに聞いたら「ああ、Rouの家に行ってるって聞きましたけど。映画の趣味が合うらしいのと、日本語を教えてもらってるみたいで」って。


「可愛いんですよ、テヒョンのやつ。俺を楽にさせてあげられるように、もっともっと日本語頑張るって。いやー、本当可愛い」

「…それはよかったな」

と言いつつ、「入り浸ってるのはそれだけじゃないだろう」と思う





Rouは不思議なやつで、自分から愛想振りまいてくタイプじゃないのに、人が惹きつけられるように寄っていく。
そして一度それにハマったら抜け出せないみたいになる




「ヤーー、ジョングギ、そんなにため息ついて！恋煩いなのか？お？」

と空気も読まずジンヒョンが駆け寄った。ああ、今あいつにその話題はダメだっての、、





「ｯ、恋、煩い、、僕、そう見えます？」

「えっ、あー、いや！実際にそう見えるってわけじゃないよ！アヒャヒャ！」




ホッと胸を撫で下ろす彼に、俺はなんだか不憫な感情を抱いた





＿＿＿＿Rouが「女」だって、知れば、な





あいつのあのぐちゃぐちゃしてる思いも、こんがらがった糸が解けて楽になるんだろうが。
でもそうなったら、それはそれで今までのRouとの関係性はたち消える



「…報われないな、どいつもこいつも(笑)」



きっとテヒョンは気がついてるんだろう。あの子が「女」だってことに。
だから彼女を守ろうと動いてる時があるのが俺にはわかる



まあ、でも
あの子が「男」でも「女」でも。吸い寄せられるようなアレは、あの子の持つ魅力であることに変わりはないわけだし。


「PDが何を目指してるのか、俺だって気になるんだよな」



Rouがこの先見せてくれる景色が、きっとあるはずだ


俺は、それを見届けたいと思う



日本デビューを果たしたRouが日本でも大きな反響を呼んだらしいと、ちょうどその頃俺らの耳にも入った

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