【P】カードック ページ36
メンテナンスが終わったとAさんのお兄さんから連絡をもらって今日はあっくんを引取りに来た。
本当は東京まで搬送してくれるって言われたんだけど
あっくんを走らせたかったし
ちょうどAさんのお兄さんがカードックに行く用事があるって言っていたので
俺はAさんを誘ってきてくれないかと頼んだ。
来週になればばあちゃんも戻ってくるし
その前にドライブでもして気分転換してもらいたかったから
Aさんのお兄さんは俺の提案を快く受け入れてくれた。
俺は昼前にカードックに到着した。
あっくんはメンテナンスを終えて
少し垢抜けた感じがした。
キレイに洗ってあったからかな・・・
Aさんのお兄さんと少し話をしたあと
1階に降りていった。
Aさんが
「あっくん。よかったね」
と、あっくんに話しかけながら
ヘッドライトのあたりを撫でていた。
俺はAさんを驚かせようと
「そんなに撫でたらくすぐったいよ」
なんて言いながら顔を出した。
Aさんったら全く俺の予想通りのリアクションしてくれたよ。
「トモくん!!ビックリした‥なんで‥?」
「なんでここにいるのか知りたいんでしょ」
Aさんはコクンと頷いた。
「サプライズ」
「サプライズ?」
「ドライブしよう」
「もしかして・・あっくんで?」
俺もコクンと頷いた。
「あっくんをよみがえらせてくれたのはAさんだから。きっとあっくんもAさんに乗ってもらいたいって思ってるよ」
あっくんは柔らかな日差しを受けて
ピカピカに輝いていた。
なんだか嬉しそうな顔してんな・・・
あっくんを見ながらそう思った。
「あっくん・・・なんだか嬉しそうね」
俺が心の中で思ったことと同じことを
Aさんが呟いた。
そして彼女はあっくんに触れ
「今日はよろしくね」と
さっきみたいにヘッドライトの辺りを優しく撫でていた。
そんな何気ない仕草が
Aさんらしいな・・・と思った。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Luna | 作成日時:2014年2月23日 11時