Hug Me Tonight【P】～第２章～ (ページ32)

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【Ｐ】始動・・・ページ32

俺が乗ったタクシーがマンションに着いたとき
一台のタクシーが発車したところだった。

こんな夜中なのに見送ってる人がいた。

あれ？
もしかしたらAさん？

俺は急いで支払いを済ませて
タクシーを降り
エレベーターホールへ走った。

そこにはエレベーターを待つ女性がいた。

やっぱりAさんだ。

そうか
酔っ払ったルリ子さんを送りにでたんだな・・・

全く病み上がりなのに
大丈夫なのか？

俺は
親の小言みたいな口調でAさんを咎めた。

ごめんなさい
と素直に謝るところがAさんらしいよ。

しかも微妙に顔を隠している・・・
すっぴんを見られたくない時のありがちな行動だね

だけどAさん
俺さんざん見ましたから
あなたのすっぴん。

しばらく看病したんだし

だからそんなに恥ずかしがることないのにな・・・

そんな何気ないAさんの仕草が
俺の男心をくすぐった。

思わずAさんの手を握っちゃったよ・・
冷たいその指先に驚いた。

俺のぬくもりであっためなくっちゃ・・・
そう思ったんだ・・・

俺の中に
いつのまにか
芽生えていた
新しい気持ちが
ちょっとずつ動きはじめようとしていた。