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ご褒美貯金しときます ページ30

夫に付き合ってる女性がいると気がついたのは
まだNYにいた頃だった・・・。

でも夫は知らない・・
私が・・知っているけど知らないフリをしていることを・・・



「私のことなんてほっとけばいいのに」

「ほっとけないんだよ女房なんだからさ」

「Hの仕方だって忘れたわ」

「ヤバイよA。そんなこと大きな声でいっちゃだめだからね」

ルリ子の話を聞いていて
なんだかホントにヤバいような気がしてきた。

「私さぁ・・・もう一生このまま誰とも・・・」

「しないで終わるか?」
言いにくいことをズバっと言うルリ子が好き

「恋をね。」

「違うでしょ。Hでしょ」

「バレた」

「バレバレ」


ルリ子は持参したワインを一人で飲んでしまった。
今夜は泊まって行けば?って言ったのに
どうやら彼のところへ行くらしい。

タクシーを呼んで帰って行った。
私は酔っぱらいのルリ子をタクシーに乗せるためにエントランスまで送りに出た。


ルリ子のおかげでなんだかすごく元気が出た。
明日からは普通に過ごせそう・・・


そんな事を思ってエレベーターを待っていると
エントランスのドアが開いて
人が入ってきた。


「A・・・さん?」
声の主は・・・
トモくんだった。

「どうしたの?こんな夜中に」
トモくんはなんだか・・・まるで・・お母さんのような口調でそう言った。

「ルリ子が来てたの。お見送り」

「ダメじゃん。まだ病み上がりなんだから」
ホントに・・お母さんみたいだ。

「ごめんなさい」
なんとなく・・謝った

一緒にエレベーターに乗り込んだ。

「ねぇ。Aさん」

「ん?」

「なんで顔かくしてんですか?すっぴんならもう見ちゃったから今更遅いですよ」
そう言うとトモくんは私の手を・・・握った。

「それに・・・こんなに手が冷たくなってる・・・」

トモくんの手は・・・温かい
握られた掌からポカポカがからだ全体に広がっていくような気がした。

いつものように
エレベーターはあっという間に35階に着いた。

トモくんの部屋は私と反対方向なのに
彼は私の手を取ったまま私の部屋の方に向かって歩き始めた。

「トモくん・・・ここでいいよ」

「ダメですよ。こんな夜中に女の子が一人で歩いちゃ」

女の子扱いとか・・・なんだか嬉しい。

「トモくん。ご褒美はあげないからね」
ちょっと意地悪く言った。

「ご褒美貯金しとくから・・今度いっぺんにもらいます」
夜中なのに超がつくほどの爽やかな笑顔でトモくんはそう言った。

【P】ミウのメール→←恋の仕方を忘れたよ



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作者名:Luna | 作成日時:2014年2月23日 11時

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