検索窓
今日:24 hit、昨日:3 hit、合計:3,587 hit

知恵熱? ページ21

「A・・・A・・」

目を開けるとルリ子が私の顔をのぞき込んでいた。

「ルリ子・・・?」

「もう・・・Aったら・・・」

ルリ子がちょっとだけ涙目になっている。

「熱が高くて・・・ずっと意識なかったよ・・・」

「・・・・・」

「雪の中、歩いて帰ったりしたから・・・」

「歩いて帰った・・・?」

「トモくんと歩いて帰ったんでしょ?・・・覚えてないの?」

「ん・・・奏ちゃんの店で・・盛り上がってた・・あたりまでしか記憶がないかも・・・」

「そっか・・めずらしくA結構飲んでたもんね」

「・・・・・・」
記憶が飛ぶまで飲むなんて・・・
自分で自分に呆れてしまった。

「Aったらワカコさんのところで朝ご飯作ってる時に倒れちゃったんだよ・・・」

ああ・・そうなんだ・・
トモくんに朝ごはんを作る約束をしてたから・・・

「もしかしてここ・・ワカコさんち?」

「そうよ〜。トモくんどうしていいかわかんなくてめちゃくちゃ
あたふたしたみたい。とりあえず私にリリーさん経由で連絡くれたのよ」


「トモくんが・・・」


「もう少しで肺炎になるとこだったんだから・・・」


私が寝ていたのはワカコさんちの和室だった。

「なんだかまだダルい・・・」

「だって40度とか出てたよ・・熱」
そう言ってルリ子は私に体温計を渡した。

「そうだ・・ねぇAダンナは?」

「雪で主張先から戻れないってあの日連絡あったけど・・」

「そっか・・・最近どうなの?あんたたち」

まだ熱が残ってる私にそれ聞いちゃう?

「どうって?」

「だってうなじにキスマークなんか付けちゃってさ」

「不意打ちくらったわ・・・」
私は力なく笑った。

「そっか・・」

「抵抗虚しく・・みたいな」

「なにそれ〜」

「だってそうとしか言い様がないもん」

ピピピッと電子音がして体温が測定された。
「37.8・・まだちょっと熱あるね・・」



「だから熱でたのかな?」

「知恵熱的な?」

「そう」

「そんなにショックな事だった・・的な?」

「的な」

わざと面白おかしく言うルリ子の愛情を感じた。



ルリ子は結局夕方遅くまで私についててくれた。

夫は結局出張先からそのままシンガポールへ戻る事になったようだ。
少しホッしている自分がいた。


「あ、トモくんから伝言よ。仕事終わったら顔出すからここで休んでて下さいって」
ルリ子に言われてもう一晩
私はワカコさんちに泊まることになった。

【P】苦笑い→←【P】雪の夜道で



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Luna | 作成日時:2014年2月23日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。