【P】エプロン ページ15
「トモ・・・」
俺の名前を呼ぶのは誰だ・・・
「トモってば・・・」
ミウか?
「トモ!!」
目をさました俺の顔をのぞき込むミウがいた。
「おはよう!!」
ミウは俺よりも寝起きが悪いだから起こすのはたいてい俺だ。
今日はいったいどうした?
「おはよう・・」
「ねぇトモ」
ミウが思い切り俺の腕を引っ張った。
「ん?」
起き上がるとテーブルの上に朝ごはんが用意されていた。
「どうしたの?!」
「ミウが作ったんだよ」
「へ〜うまそうじゃん」
「じゃあ一緒に食べよ」
卵焼きとほうれん草のおひたしだった。
「ごめんね。今日はこれが精一杯。お味噌汁はインスタントだけど」
「美味しいよ。」
「ホントに?」
「うん」
卵焼きはちょっと焦げてたし
ほうれん草は少し水っぽかったけど
そんなことどうでもよかった
俺のために一生懸命作ってくれた事が嬉しかった。
「実はね。この前・・・Aさんとトモの部屋ではち合わせしちゃって」
「えっ!?マジ?」
ごはんが喉に詰まりそうになった。
「それでAさんに朝ごはんご馳走になったの・・
で・・Aさんに朝ごはんの作り方教えて下さいって頼んだんだ」
Aさん何も言ってなかったな・・
でもミウが俺のために苦手な料理に取り組んでくれて
なんだかそれだけで俺は満たされた気持ちになった。
「雪とか降ったらどうする?」
「え〜!!それってミウがあまりにも珍しいことしたから?大丈夫だよ。ほら外見てよ。青空いっぱい広がってるし。しかも今日からロケで海外なのに飛行機飛ばなかったら困るよ」
そうだった。
ミウは今日から2週間、撮影で海外だ。
「ありがとうミウ」
「うん」
「エプロン買ったの?」
ミウのエプロン姿を見るのは初めてだった。
「これ?Aさんにプレゼントしてもらっちゃった」
エプロン姿に
そそられた…
「じゃあさ・・・ごはんのあとはミウのこと
食べちゃってもいい?」
「ミウはデザート?」
「そうだね。とびきりのスイーツだね」
俺は手を伸ばしてエプロンの肩紐をほどいた・・・。
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作者名:Luna | 作成日時:2014年2月23日 11時