20-1. 一枚 ページ34
<リクエスト作品>
SIDE:伊吹
「伊吹」
「おんっ?!」
密行中、運転する志摩に話しかけられ過剰に反応してしまった。
「…どうした」
「え?あ、う、ううん!し、志摩こそ、何っ?」
「メロンパン、くれ」
「お、オッケー!ど、どれにする?」
「何でも」
志摩にそう言われ太郎で頼んだメロンパンが入った紙袋をがさがさと漁り、
「じゃ、じゃあこれ!チョコね!」
と手渡すと、
「…いやオリジナルだろ、これ」
受け取るなり眉間に皺を寄せる相棒。
「あ、ほ、ほんとだ!」
お、俺としたことが!これじゃバレちゃうじゃん!
「おい伊吹」
「なにっ?!」
「お前どうした、さっきから」
…頭のキレる相棒持つと大変だよね。
「…や、う、うん」
「何かあったのか」
「…あの、いや、んー…これは」
「何だじれったいな。言え」
ものすごおく考えてるのに、隣の志摩の圧がそれを許さない。
「…や、あの実はね、さっきコンビニ行った時にAちゃんのこと、見たんだけど」
「ああ、そういえば勤務先の近くだったな」
「…うん」
「それで?」
「…いたの」
「…いた?」
まだ余裕の志摩が前を見ながら尋ねる。
志摩、すまない。その余裕はこの言葉によって消えるであろう。
「男といたのAちゃんが!!」
俺は半ばやけになりながら叫んだ。
「…は?」
グッドタイミング赤信号。志摩がこっちを見たよ。
「歩いてたの!」
「…いや、患者さんじゃないのか?」
「いやいやあれ患者さんなら確定だって!」
「…確定ってどういう意味だ」
うわ、やばい。めっちゃ眉間に皺寄ってんじゃん。
「…う、腕組んでた」
「…腕?」
「年齢は俺らと同じくらいで、めちゃくちゃ仲良さげだった!」
「…」
俺の言葉にもう余裕がなくなったのか、めちゃくちゃ考えてる顔の志摩。
なんだっけ、考える人だっけ。あんな銅像より100倍は考えてるね、うん。
でも、
「…え、ちょ、し、志摩?」
青信号になった瞬間、俺は志摩が考えてないことに気が付いた。
「何だ」
「す、スピード出過ぎてない?法定速度ギリギリ…」
声は普通。でもメーターは異常。
「はーい、前の赤い車ー、止まりなさーい」
「…とばっちりすごい…」
うわ、これ本気で怒ってるやつだ…。
もう!何してんのAちゃん!
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結城(プロフ) - 伊吹さんの方からやってきましたがやっぱりため息でますー(//∇//)たまたま早起きして読んでいたのですがにやにやとため息でバッチリ目が覚めました!ありがとうございます^ ^ (2020年9月4日 5時) (レス) id: 3f7c57052f (このIDを非表示/違反報告)
MAYU(プロフ) - ありがとうございます。楽しみにしてます(*^^) (2020年8月28日 1時) (レス) id: 68cb4525c6 (このIDを非表示/違反報告)
リトルバード(プロフ) - MAYUさん» MAYUさん!初コメント&リクエストありがとうございます!今書いていますのでもう少々お待ちいただけると嬉しいです! (2020年8月27日 23時) (レス) id: fd0b490cca (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 志摩さんリクエスト。恋人夢主。志摩がお世話になってるからと紅茶のシフォンケーキを焼いて4機捜に差し入れしに行く話し。上司である桔梗にはゆたか君達と食べる用に別に用意。夢主のケーキに癒される志摩さんの話しお願いします。 (2020年8月25日 14時) (レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
こな(プロフ) - リクエストです!ナイトプールで事件発生。404が現着。ヒロインに遭遇。水着ガン見。伊吹にぶちギレ志磨さん。伊吹に言わせたいのが、ヒロインちゃん、おっきいのね。ってな感じです。笑 (2020年8月24日 12時) (レス) id: 3a7ce308f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リトルバード | 作成日時:2020年8月5日 0時