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「…ゲホッゲホッ、A、
いきなり何を言うんだ…全く…。」
噎せ続けるシリウスの背を叩くハリー
ルーピンは呆れたような顔で杖を取り出すと
''アナプニオ''と唱える
「A、おじさんをからかうのは良くないよ」
困ったように眉を下げて笑うルーピンに
至って本気だったんだけどな、と
Aは心の中で思っていた
「まあ、私はAならいつでも大歓迎だよ
君のような若くて可愛い子がお嫁さんだなんて
考えただけでも頬が緩む＿」
「やだな、シリウスったら
貴方は女の人なら、私じゃなくても
両手から溢れるほどいるくせに」
そうなのだ、この男
シリウス・ブラックは
とにかくモテる
女心を掴むのが上手と言うか
女の扱い方が上手と言うか
女が喜ぶポイントを知っていると言うか＿＿
「君こそモテモテじゃないか
僕知ってるよ、君が貰ったラブレターの数」
「なんであなたが知ってるの？」
さあね、と横から
口を挟んできたハリーは肩を竦めた
貰ったラブレターの数を数えたことはないが
今までの5年間で数え切れないほど、なのは事実
その全て、一つ一つを、私は読んだ後
必ずと言っていいほど大切に保管している
「Aはこの学校では珍しい東洋人だし
それに、可愛らしいからね。」
「リーマス、そんなに褒めても何も出ないよ」
はは、と笑いながらリーマスは
''日刊予言者新聞''を広げて読み始めた
シリウスはお腹いっぱいになったことで
眠くなったのか、うとうと、と体を揺らしている
急に静かになった部屋に窓から
秋の風が吹き込んできた
「…秋の匂いがする」
ポツリ、と呟いたA
ルーピンは新聞から目を離して
そんな目の前の彼女を見た
風に靡くサラサラとした黒髪と
ほのかに香るシャンプーの香り
細められた切れ長の瞳の奥にいるのは
黒みがかったブラウンの瞳
東洋人だからか彼女は他の生徒より幼く見える
けれど、ふとした瞬間の彼女は
同い歳の生徒の誰よりも
大人っぽく見えたりするのだ
不思議な子だ、とルーピンは思った
正直初めて会った時は、
顔が整っていて目を引いた、と言うよりも
誰よりも真っ黒なその髪に目を引かれたと
言った方が正しいだろう
彼女は特別美人という訳でもなく
しかし整っていない訳でもなく
むしろ、平凡だ
その平凡さが彼女の
魅力を惹き立てているのかもしれない
「どうしたの、リーマス」
どうやら無意識に彼女を眺め続けていたようだ
何でもないよ、とルーピンは
そのくたびれた笑みをAに浮かべた
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しょこら(プロフ) - はじめまして！素敵な作品すぎてコメントさせていただきます！本当にこの作品大好きで何回も読ませてもらってます！ちなみに今から4回目行ってきます！笑どのキャラの心境も繊細に書かれていて見る度惹き込まれます…これからもusagiさんの作品楽しみにしています！ (2022年1月24日 23時) (
レス) id: a91831a4da (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 拙さん» そう言っていただけて、嬉しいです！これからも御付き合い頂けると嬉しいです:) (2019年12月8日 17時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
拙 - こういうの凄く好きです。色々な人の心情が分かって面白いです。ルーピンもスネイプも大好きなので本当にありがとうございますｍ(｡≧Д≦｡)ｍ (2019年12月8日 15時) (レス) id: c3f8edfab8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usagi | 作成日時：2019年10月26日 14時
