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夜
Aが部屋に戻ったあと
ルーピンとシリウスは
ウィスキーを片手に世間話をしていた
「それで、ルーピン
Aにはどこまで手を出したんだ？」
「シリウス、そういう話は＿＿」
「でも私が居ない間に何かあったのは事実だろ？」
ルーピンは暫くだんまりだったが
諦めたようにその重い口を開き
彼女とキスをしてしまったこと
それ以来彼女を意識してしまうことを
ぽつりぽつりと話し始めた
予想通りだ、とシリウスは唇を歪める
「リーマス、君と私の仲だから
変に遠回しな質問はしない。
君はAの事が好きだろ？」
「まさか、彼女への愛情は
生徒としての愛情であって、
そんな特別な意味は＿」
カラン、とグラスの中で
氷同士がぶつかる音が静かな部屋に響く
「リーマス、怖いのか？」
「私は人狼なんだ
彼女を愛する資格などない＿」
やはりそれか、とシリウスは
ウィスキーをグラスに注ぎながら思った
ルーピンの心にストップをかけているのは
他でもない彼が'' 人狼 ''だという事実だ
人狼であるが故に人を愛してはいけない
そう思い込んでいるのだ
「いいか？君は人狼である前に
一人の人間、リーマス・ルーピンだ。
人を好きになるのは自由だよ、リーマス。」
「.......怖いんだ、拒絶されるのが
今まで通りにいられなくなるのが」
震える声を隠すように
残ったウィスキーを
一気に喉に流し込むルーピンを横目に
シリウスは杖を振ると
空になったグラスに水を注いでやった
「でも彼女は自分から君にキスしたんだろう？
それなりの気持ちがあっての行動じゃないか。」
「あれは一瞬の気の迷いだよ
快感に身を任せただけ、愛じゃない＿＿」
随分と本気なんだな、と
俯いたルーピンの肩に手を置いたシリウスは
その肩をグイグイと押してやった
「痛いじゃないか、シリウス」
「女は情が湧きやすい生き物なんだ
狡い手は使いたくないだろうが
一度抱いておくのも手だぞ。」
「.......お前は抱きすぎなんだよ、シリウス」
程よく酔いが回ってきた2人は
顔を見合わせるなり声を上げて笑った
心中を話した事で少し楽になったのか
ルーピンの表情は呑む前よりも
明るくなっていた気がした
「私は、君の味方だリーマス。」
「急にどうしたんだ.......
さては、シリウス酔っ払ったな？」
ルーピンはシリウスの
真っ赤になった顔を眺め
随分と時間が経っていることに気付いた
隣を見れば寝息を立てるシリウス
ルーピンは溜息を吐くと
1人グラスを傾けたのだった
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しょこら(プロフ) - はじめまして！素敵な作品すぎてコメントさせていただきます！本当にこの作品大好きで何回も読ませてもらってます！ちなみに今から4回目行ってきます！笑どのキャラの心境も繊細に書かれていて見る度惹き込まれます…これからもusagiさんの作品楽しみにしています！ (2022年1月24日 23時) (
レス) id: a91831a4da (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 拙さん» そう言っていただけて、嬉しいです！これからも御付き合い頂けると嬉しいです:) (2019年12月8日 17時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
拙 - こういうの凄く好きです。色々な人の心情が分かって面白いです。ルーピンもスネイプも大好きなので本当にありがとうございますｍ(｡≧Д≦｡)ｍ (2019年12月8日 15時) (レス) id: c3f8edfab8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usagi | 作成日時：2019年10月26日 14時
