GUILTY 〜それでも愛してる〜＊岸優太＊

罪＊9 ページ9

『自分で呼び寄せておいて本当ごめんね…』





店の外に出ると申し訳なさそうに眉を下げて謝られた






「全然いいっすよ。俺もあの雰囲気けっこう苦手で…(笑)」






『そっかぁー、岸くん若いのに〜(笑)次はもうちょっと静かなところにしよう！』






次もAさんが行ったことがあるという店に連れていってもらうことになり駅から離れた静かな裏路地にひっそりとあるBARへ入った




カウンター席が8席ほどの小さな店内に紳士って言葉がピッタリのマスターが立っていて






「いらっしゃいませ。」






と静かに頭を下げられて迎え入れてくれた





2人組のお客さんが2組居たので俺達も端の席から隣合って座り







(……っ、カウンター席だからなんか近いな…)






さっきまでの安居酒屋では小さな2人がけに向かい合って座っていたから急に隣り合わせになるとより近くに感じて…





でもAさんからはそんな戸惑い微塵も感じなくて…





(やっぱ、俺ってガキなんだな…。)






『何がいい？』





「あー、何でしょう？」





『あははっ(笑)私が聞いてるんだけど(笑)じゃあビール飲んでみて!!ここのマスターがいれるビール全然違うから！』






結局はAさんにリードしてもらって、、、





ジョッキじゃない薄いガラスのオシャレなグラスで出てきたビールで再び乾杯する





「あ、美味しい。全然違う！ぜんっぜん違いますね！すごい!!本当!!!美味しいっす!!!」






『でしょう〜！いいリアクションするね(笑)岸くん。素直で嬉しいなぁ〜』





「いや、マジっす！こんなに違うんだって感動しました、、、」





『うふふ、その反応癒されるなぁ〜』





なんて、、、嬉しいような子供扱いされてるみたいでちょっと悔しい





「Aさんはネイリストさんなんすか？」






『うん！そう。って言っても自宅の一部屋でやってる腰掛けだけどねー。』





「自宅サロンすごいっすね。」





『そんな事ない！ない！趣味の延長みたいな感じだから会員制にして知ってる人にだけやってるの。自宅だからあんまり知られたくないしね』







「じゃあ俺も今度やってもらおうかなー(笑)」





『えー？でも最近は男の子もネイルする子いるもらしいからねー。昔と違って(笑)』





『あっ、』





何かに気づいたように俺の手を見つめて





『すごい綺麗な指ね…』



って俺の手を取った

罪＊10→←罪＊8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す