GUILTY 〜それでも愛してる〜＊岸優太＊

罪＊48 ページ48

「優太〜！行くで？」



「おっ、おう。」



コンサート会場に着き車を降りるメンバー達に続いて会場入りした



荷物を置いてリハの為に着替えようと取り出したスマホの画面には久しぶりに見た名前



もう忘れられたと思ったのに



それだけでグッと心臓を掴まれたように呼吸するのも忘れてしまう




A夫に着いて日本を離れます。ありがとう岸くん。本当にさよなら。



そっか、、、



旦那さんとちゃんと話し合えたんだ



良かったね。



そう思う自分と同時にまだ未練を断ち切れない自分の弱さを思い知る


でもそれはきっと彼女も同じ


遠く離れようとする彼女の気持ちは俺にはよく分かった


こうでもしなければ…


また万が一、偶然にでも出会ってしまったらきっと今度こそ何もかもを捨ててでもあの人と居ることを選んでしまうから



解決するのは時間しかない


それも分かっててこのメッセージを俺に送ったんだよね



もう会えない。


あの日から考えないように蓋をしてた現実とちゃんと向き合わないと行けない



わかっているけど彼女の声が体温が匂いが全部まだ残ってる



気持ちとは裏腹に込み上げる涙



そっと袖で拭っていると



「岸くん？どうしたの？」


いわげんが心配そうに覗き込んだ


黙ってスマホの画面を見せると


「これってあの人…？」


コクリと頷けばそっと背中をさすってくれる


「いつもは神宮寺専用だけど特別に岸くんにも貸してあげる。」


優しい顔で微笑みながら腕を広げるいわげんが本当に可愛くて天使に見えた


華奢なその肩に顔を埋めればヨシヨシと抱きしめてくれる


「わりぃ…あり…がと…っ、、」



「えっ！ちょwwwっ、優太何してんの？浮気や!!!玄樹が浮気しとる!!!」


部屋の隅っこでやっていたのに目ざとく廉に見つかり全員が集まってきた


「廉!!!マジで空気読んで(怒)」


マジ切れしながらスマホを差し出しみんなが見ると


「岸くん、、フラれちゃったの…？」


「おいっ！海人そんなストレートに聞いてやるなや！」



「これって例の年上のネイリストの人？」


「さすが神、よく覚えてるなぁ(笑)」


それぞれに言いたいことを言ってるけど変に気を使われるよりもよっぽど良い



「優太、まだ全然吹っ切れてないって感じやったもんな〜」


背中から廉にもハグされて



俺って本当にリーダー失格だよな…


「自分ではもう終わったつもりだったんだけど…」

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