GUILTY 〜それでも愛してる〜＊岸優太＊

罪＊36 ページ36

「ふぁ〜zz」



『岸くん、眠い？』



「ん。大丈夫。」



大丈夫って言ってるけどソファーに座る岸くんはすでに一点病になってて、、



ミツが仕事でいない時間を見計らって荷物を取りに帰ったついでに仕事道具も少しだけ持ってきた



今日は半日空きがあると言う岸くんの爪をお手入れさせてもらうことに



うちを出てからはお客さんも取ってないし久しぶりの施術はやっぱり楽しいなぁ〜ってこの仕事のやりがいを感じる



男の子に本格的なネイルをする訳には行かないので磨いてケアをするだけだけどすでに眠そうな岸くん(笑)



いっつも落ち着きが無いから静かに座ってるだけで眠くなっちゃうとか、、本当に子供みたい(笑)



最終的にはソファーにもたれて完全に眠ってしまった、、




ピカピカに磨き上げられた美しい爪とそれを引き立てる細く長い指が中性的な魅力を放っていて自分でも見惚れていると、ふとその持ち主のいびきが聞こえて来た(笑)



口半開きの寝顔と美しく仕上がった指先とのギャップがすごい、、、



悪戯心が芽生えて密かにスマホに収めておいた



気持ちよさそうに眠っているのを起こすのも可愛そうだし静かな岸くんを見られるのも珍しいからそのままにして見ている事にした



映像関係の仕事だからテレビ局での仕事が多いらしく時間も不規則な仕事みたいで朝早くに出て行ったのに深夜に帰ってくることも少なくない



(気持ち良さそうに寝ちゃって疲れてるんだなぁ〜)



特にやる事も無いからコーヒーを入れていたら




「んぁっ？やっべ、、寝てた…あれ…？」



まだ寝ぼけてるのかあれ？あれ？と言いながらキョロキョロしてる




『気持ち良さそうに寝てたね(笑)』



2つ分入れたコーヒーを持って声を掛けるとようやく私を見つけて安堵した表情を見せてくれる



そんな顔されたら、、離れがたくなってしまう



いつまでもこんな生活が続くわけないことも一緒に居られないこともわかってる、、



こんな夢のような生活が、、、



「あぁぁぁーっ、びっくりした〜。一瞬、居なくなっちゃったのかと思った…」




『何でよ？(笑)』



「んー、、何かAって突然居なくなりそうだから」



珍しく真顔でそんな事を言われて戸惑ってしまう



「急に消えたりしないでよ。」




真っ直ぐに見つめてくるその瞳は憂いを帯びていて岸くんじゃないみたい



『……っ、、しないよ。』



そう答えるのが精一杯だった。

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