GUILTY 〜それでも愛してる〜＊岸優太＊

罪＊35 ページ35

俺が居るって本気で言ったんだけど結局ははぐらかされてしまった



旦那さんの元から飛び出して来て泣いてる彼女の傷を少しでも癒してあげられたら…



でもその傷に付けこもうとしてるのも否定は出来ない自分がいた




もしもこのまま旦那さんと上手くいかなくなったら、、と思っても1番肝心な所には踏み込ませてもらえない俺じゃ力不足なんだよな…



腕の中で小さな寝息を立てる彼女の全てを俺のものにしたい



もしも、、俺が旦那さんよりも先に出会えていたら、、



込み上げる欲望にはなんの意味もなくてやり切れないだけ




せめて彼女がここに居る間だけでも一緒に居たくて仕事が終わると彼女の泊まるホテルへ帰った



毎日この腕に抱いて眠れる幸せ



それを自ら放棄してる旦那に苛立ちを感じても彼女は『ホントだね。』ってさみしく笑うだけだった




こうゆうとこがまだまだガキなんだよな…




『あ、ごめん。ちょっと電話、、、もしもし？あ！はい！お久しぶりです〜。』




お風呂上がりにベットの上でまったりしていた腕をすり抜けて端に座って話し出した




『すいません、、。今、ちょっと実家の方へ戻ってまして予約待って頂いてるんですよ…』



会話の感じからお客さんだろうか、、



ベットに腰掛けてる後ろ姿も背筋が綺麗で、、本当にいちいち完璧な人だ…。



背後からそぉーっと近づいてその腰へ腕を回して抱きしめた



ビクッと肩が跳ねたのが可愛くて声を出さないように笑って更に引き寄せた


『……っ、こら!!あっ！いえいえ！すみません！ちょっと犬がイタズラして、、はい。また目処が経ちましたら連絡させて頂きますので。失礼します〜。』



電話を切ると目を細めて睨みながら見下ろしてくる


「俺、いつから犬になったの？(笑)」



『もう！待ても出来ないんだからうちの実家のラムちゃん以下だ！！』



腰にまとわりつく俺の頭をぐしゃぐしゃにかき混ぜてわしゃわしゃしてる



「ちよっ、、！マジでっ！犬じゃないんだからっ！！」



『うふふっ(笑)躾のなってない子はこうだ！あっ、ちょっ……！！』



何とか手首を掴んで思い切り引っ張ると俺の上に覆い被さるように倒れこませる




「わぁ〜 襲われるぅ〜」



『ちょっと、こうなる様に仕向けたのは誰よ！？』



「さぁ？俺、躾がなってねーからなぁ(笑)」


下から見上げニヤリと笑うと


『本当、こうゆう時だけ雄の顔してズルい、、』


また今夜もアナタとの甘い夜がはじまる──

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