GUILTY 〜それでも愛してる〜＊岸優太＊

罪＊30 ページ30

『ずっと考えてたのミツが帰国する度にこれからの事ちゃんと話し合おうって…』




「これからって…、、このままじゃダメなの？俺ら上手く行ってんじゃん。」




『でも、、』




「それに子供だって急がなくても、、俺はまだ全然考えらんねぇし。」




『私は、、最初はミツの仕事が大変なのもあなたを縛り付けておくようなこともしたくないから今の生活でいいって思ってた。だけど、もう3年も続いて…不安だったの』




「ごめん…」




『私は謝って欲しい訳じゃないよ！』




「…っごめん。」




好きで大好きで結婚したのにこんなにも簡単にかけ違えてしまうなんて




謝られるのがこんなに悲しいなんて




謝られたら何も言えない



謝られたらそこで全てがシャットダウンされてしまう




岸くんにも同じ思いをさせてたんだね…




『謝られたらもう何にも言えなくなるんだよ…』




ダイニングから立ち上がると鞄とケータイだけ持って部屋を出た




ミツは声も掛けてくれなくてただ俯いて悲しい顔をしていた




夫婦だから家族だから私の本当の気持ちを話せば分かって貰えると思ってた。



通りに出るとタクシーを掴まえて乗り込んだけど




「どちらまで？」と、聞かれて自分がどこにも帰る場所なんて無いと知る





とりあえず都心の方へ向かってもらい




スマホで空室を検索してビジネスホテルを予約した




チェックインしてベットに腰掛けると襲ってくる現実




もう何も考えたくなくて…




なのに浮かんでくるのはミツじゃなくてあの人のコト



(岸くん、、どうしてるかな…)






こんな時に縋るようなこと絶対にしたくはなくてスマホを握るけど連絡する勇気が出ない



LINEを開いては溜息を付いて消そうとした時




ブブブッと振動し始めてびっくりしてベットへ落としてしまった




それは紛れもない岸くんからの着信




(どうして、、こんな時にかけてくれるの…)

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