GUILTY 〜それでも愛してる〜＊岸優太＊

罪＊28 ページ28

彼女との日々を重ねるうちに薄れていた罪の意識



そうだ。あの人はただの年上の彼女では無いんだ



ちゃんと分かってたはず



海外での仕事が多いって言ってたけど日本にだって帰ってきてるみたいだからいつかはこうなるって



彼女が俺を受け入れてくれてくれてるだけで十分だからそれ以上は望んじゃないけないって



だけど、、実際その現実を突きつけられれば閉じ込めていた欲望が込み上げる



俺は彼女の苗字も知らない。住所も電話番号ももらった名刺には店の名前とLINEのIDだけ。




『全部は知らない方がいいから…』



繋がっているのはLINE1つでその気になればいとも簡単に切れてしまうそんな関係なんだ




『また連絡するね』



あの日、珍しく朝まで一緒に居た彼女はそう言って少しだけ早めに部屋を出た




もう2度と連絡が来なかったら…



1週間、2週間と時が経つとともに大きくなる不安



気持ちの不安定さとは反比例するように仕事は忙しくて映画の撮影とも重なり多忙な日々を送れる事が救いでもあった



(あれから何日経ったっけ？)




麻痺していく感覚に分からなくなっていたけどもう１ヶ月が経とうとしていた




(何で連絡くれないの…)



俺を利用してなんて都合のいい男でいいって自分で言ったくせに、、



何度もゴメンと謝っていた最後の日の彼女の姿が目に浮かぶ…




罪深さが募る苛立ち、、、



どんなに想っても2人の現実は壊せす事は出来ない



何度も送ろうとメッセージを作るけど送信する勇気が出ないまま




「岸さん、スタンバイお願いします。」




「あ、はい！今行きます。」




電源を落としてスマホを閉まった

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