GUILTY 〜それでも愛してる〜＊岸優太＊

罪＊26 ページ26

(あぁ…やってしまった、、、)



本当は期待してたくせに土壇場で躊躇してた私をいとも簡単にねじ伏せてしまった彼は私の隣で少年のような顔で寝息を立てていた



まだ残ってる、全身が覚えてる彼の指を、、、唇が滑る感触を、、、



間違っている。



大切な人を裏切っている。



わかっているのに後悔は無くて



「愛してる。」


そう言ってくれた彼の掠れた甘い囁きが何物にも代えられない幸福感を満たしている



うつ伏せのまま規則正しい呼吸を繰り返すその頬に1つキスをする



『私もきっと愛してる…』



彼の腕の中では余裕がなくて口を開けば耳を塞ぎたくなるような甘ったるい声が漏れるのが怖くて言えなかった言葉を形にしてみた



「本当に…っ？」



『え…？』



眠っているはずのお隣さんから声をかけられギョッとして見つめてると目をつぶったまま、ふふふっ(笑)と吹き出した



『起きてたの！？』




「いや、ほとんど意識なかったんだけど寝込みを襲う人がいるから勿体なくて寝てらんねーなと思って(笑)」




『襲ってない！！』




あはは〜って笑いながらうつ伏せからゴロンとこっちへ体を向けて片肘を付いて見上げてくる



『お手柔らかにって言ったのに…』




「え？したよ？」




『あれで！？』



「ウソ、ごめん。しようとは思ったんだけどあんまりにもAが可愛いーから」




『可愛くないから…』




(しかもサラッと呼び捨てにしてるし…)



でも嫌じゃないっていうかむしろ嬉しい私はもう完全に彼に堕ちているのだろう



「さっきの、、本当？」



『え…？』



「後悔、、してない？」



さっきまでの軽口はどこへ行ったのか…急に苦しそうな顔で私を見つめている



その瞳が不安で揺れているのがわかる



『ごめんね。』



思ったままを口にすると大きな瞳がさらに大きく見開いて



(あ、何か勘違いしてるな、、)




『ふふ、違うよ。そのごめんじゃない。不安にさせてごめん。』



「ちょっと、意味わかんない。俺、バカだからちゃんと言ってくれないと悟ってとか無理だから」



『私も岸くんに惹かれてた。出会った時からきっと…。こうなる事を心のどこかで望んでた癖に最後はあなた1人に背負わせてごめん。私も、優太が好きだか…っ』



言い終わる前にガバッと起き上がった彼に抱きしめられて



「ごめん。旦那さんがいるのに好きになって、、抑えられなくて…」



どれだけの罪でもあなたとなら背負える

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