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歪んだ相愛2(兄者)※ ページ42

「もう、ずっと怒ってないって言ってるじゃない。来れなかったのはその・・・、タイミングが悪かっただけで。・・・気に掛けてくれて有難う」

そう言って彼女は抱き締めている俺の腕に自身の手を重ねた。そんな彼女の手を取り、俺は抱き締めた腕を解いて片方の手の指先を彼女の顎に添えて此方へと振り向かせる。そんな俺の行動の先を読んだ彼女も少し体勢を変えて身体を幾分か此方へと向けてくれた。


「A」


もう一度名を呼んで俺はそっと彼女に口付けた。触れるだけの軽いキス。直ぐに唇を離した俺に彼女は俺の胸元のワイシャツを掴み、懇願する様な眼差しで俺の瞳を見つめた。


「兄者」

珍しく催促するような仕草に俺は不意打ちを喰らい、顎に添えていた指先を滑らせて彼女の後頭部に手を回して深く口付けた。そのまま閉じていた唇に舌を侵入させて彼女の舌を絡め取る。珈琲とケーキの甘い味が互いの唾液に溶け合い、口いっぱいに広がる。堪らず唇を離して彼女を引き寄せ俺の脚の上に座らせ直し、目の前にある彼女の首筋を噛む様に口付ける。いつもより甘い彼女の声が俺の耳を擽り欲望を掻き立てられる。

「珍しく可愛い事するじゃん?」

「そ、そんな事なっ・・・」

「じゃあ誘ってんのか?」


俺のワイシャツにしがみつく彼女の腰に手を添え、もう片方の手で彼女のブラウスのボタンを開けていく。露わになった下着を横目に彼女の胸元に口付けながらスカートのチャックを下ろす。ブラウス、スカートと脱ぎかけの服をゆっくりと脱がせ、柔肌に口付けながら下着姿の彼女を愛でる。


「眼福だな」

「やっ、見ないで・・・」


恥ずかしそうに身を捩る彼女に再度口付けてから頬、首筋、胸、腰、お尻、太腿と順々に彼女の身体を愛撫していく。愛撫する度に甘い声が彼女の口から漏れる。愛撫とキスの雨を降らしながら以前俺が彼女の柔肌に付けた赤い痕に何気なく目をやる。彼女が自分だけのものと思うと何とも言えない征服感が俺の心を満たし、思わずニヤける。この間付けたのにもう痕が薄れてきたなと思いつつ、ふと一箇所の痕に俺は目を止めた。彼女自身からは見えない、背中側の腕の付け根辺りに俺が付けた覚えのない赤い痕。他の痕より少しだけ赤みが強く、鮮明に彼女の肌に刻まれていた。その瞬間、身体の血の気が一気に引くのを感じたのと同時に思考をフル回転で巡らす。




【NEXT】

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設定タグ:2BRO. , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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アルバ - コメント有難うございます!殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです!また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルバ | 作成日時:2018年6月19日 12時

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