歪んだ相愛(兄者)※ ページ41
〈密なる純愛の続き〉※兄者がドSです。
ーーーそれでも愛してるーーー
おついちの急な呼び出しから数日後、彼女を家へと誘った。急だったとは言え半日以上彼女を1人放ったらかしにしてしまい、挙げ句の果てに1人で帰らせてしまった埋め合わせをしたかった。怒っているのか最初は頑なに家に来ることを拒んだのだが、おついちから謝罪のケーキを預かってると告げると渋々了承してくれた。
「お、お邪魔します」
そう言って玄関のドアを開けた彼女を俺は迎え入れた。
「おう、この間はその・・・悪かったな」
クシャッと彼女の頭を撫でながら俺は謝罪の言葉を述べた。
「ううん、大丈夫だから気にしないで。・・・今日、弟者君は?」
「あいつなら用事があるっつって出掛けた。何か用か?」
「いや、別にっ。聞いただけっ」
慌てて首を振る彼女に俺は首を傾げながら彼女を家へと上げた。彼女を部屋で待たせ、俺は台所へ行っておついちから貰ったフルーツタルトを切り分けた後温かい珈琲を淹れて部屋へと戻った。部屋の中央に置かれたテーブルに並べれば部屋中に珈琲の良い香りが漂う。
「わぁ、美味しそう。これおついちさんが作ったの?」
フローリングの上に置かれた座布団に腰掛け、彼女は嬉しそうに口元で手を合わせた。
「折角のデート日に長い時間俺を拘束した詫びだと。あいつ俺には何もくれねぇクセにAには喜んで用意しやがるんだよな」
待遇の差に文句を言う俺に彼女はまぁまぁと宥める。
「今度お礼言わなくちゃ」
そう言って彼女はフォークでケーキを一口サイズに掬い、口の中へと入れてゆっくりと味わう。俺と違って元々甘い物が苦手な彼女だが、おついちが作るケーキは別らしく好んで食べる。ケーキを口にした途端彼女から笑顔が溢れ、俺は心の中でホッと胸を撫で下ろした。おついちのケーキでと言うのが少々癪だが彼女に笑顔が戻って一安心だ。ケーキと珈琲を完食し、一息ついたところで俺は彼女に声を掛けた。
「A」
彼女の手を取って立ち上がり、ベッドの中央に腰掛けて脚の間に座るよう指示をする。少し躊躇う様子の彼女だったが俺が空けたスペースに腰掛け、俺の胸にそっと寄り掛かった。彼女の香りと髪の毛から香るシャンプーの匂いが俺の鼻を擽る。
「機嫌直ったか?」
後ろから抱き締め、彼女の髪に顔を埋めながらそっと聞いてみる。
【NEXT】
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アルバ - コメント有難うございます!殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです!また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルバ | 作成日時:2018年6月19日 12時