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キスの格言2(おついち) ページ5

「その読んでいる小説ってのは恋愛小説なの?」

普段から読書家な彼女だが余り恋愛小説を読んでいる印象が無い。そう言った話しは恋愛小説系かと思い、物珍しさに聞いてみた。

「恋愛と言えば恋愛ですが、どちらかと言うとミステリーですね。犯人の心理描写にそう言った話しが出てきて」

「へぇー」

そう言って僕は楽しそうに小説の内容を語る彼女の言葉に耳を傾けた。好きな事を喋る時の彼女は本当に楽しそうで、見ている此方も思わず笑顔になる。



でもね、そんな無邪気な笑顔を振り撒かないで欲しいな
可愛くて、愛おしくて、抱きしめたくて
色々と・・・我慢できなくなっちゃうんだよ



「・・・なんですよって、聞いてますかおついちさんっ」

そう言ってトントンっと僕の手を軽く叩く彼女。その言葉に思わずごめんごめんと謝った。


「勿論ちゃんと聞いてるよ。ところで、このキスの意味知ってる?」


そう言って僕は首を傾げる彼女の首筋に不意打ちのキスをした。可愛いらしい、驚いた悲鳴が僕の耳元をくすぐる。

「“腕と首なら欲望のキス”なんだよ。ごめん、Aちゃんの可愛い笑顔見てたらつい・・・。でもね、そもそもキスの話しをし始めたAちゃんもいけないよ。僕の事誘ってるって思っちゃうんだけど」

そう言って僕は羞恥から戸惑う彼女へキスの雨を降らす。とろんとした瞳を見ればほら、これでもう僕の虜。


「おついちさ・・・」

「因みに最後のキスの格言は、“さてその他は、みな狂気の沙汰”」


彼女を優しく抱き寄せて耳元でトドメの囁きをする僕も相当余裕がないのだと、彼女からは見えない位置で笑ってしまった。




【END】

理想論(おついち)→←キスの格言(おついち)



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設定タグ:2BRO. , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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アルバ - コメント有難うございます!殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです!また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルバ | 作成日時:2018年6月19日 12時

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