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帰想本能(兄者) ページ34

ーーー犬は人に付き、猫は家に付くそうでーーー



「Aって猫みたいだよな」


ベッドに座る彼が彼の胸に背を預けて座る私の手を、自身の重ねた指先で撫でながら呟くように言った。

「何、急に?」

「好きな所にふらふら行って、気が済んだら俺の所に帰ってくるから」

「ちょっと、放浪癖があるみたいに言わないでよ」

彼の言葉に私は失礼なと、反抗の言葉を紡ぐ。


「実際似たようなもんじゃねぇか。仕事柄仕方ねぇ事かも知れねぇが、今日会ったのだって久し振りだろ?」

確かにフォトグラファーとしてあちらこちら飛び回る私が彼に会えるのはほんのひと時に過ぎないので、そう言われても仕方がないと言えば仕方がない。以前会った日を思い返し、頭の中に描いたカレンダーの数字を数えていく。

「まぁ、8日ぶりくらいかしら?」

「普通の恋人同士なら“寂しい”って思う日数をとうに超えてるもんじゃねぇのか?」

「へぇ、寂しかったの?」

彼にしては珍しい言葉が紡がれ、私はニヤついた顔で彼の方へ振り返った。


「・・・いや、別に」

失言だったのか恥ずかしかったのか、彼は私と視線を合わせぬよう直ぐに顔を横へと背けた。

「ふふ、私の前では嘘が下手ね。でも兄者の方がよっぽど猫っぽいわよ?例えばクールでなかなか人に懐かない所とか」

「何で他人に愛嬌振りまかなきゃいけねぇんだよ。めんどくせぇ」

「そう言う所とかそっくりよ。まぁ、愛嬌を振りまくってのは相手に好感を持って貰いたいとか、興味を持って貰いたいとか人それぞれよ」

心底嫌そうに言う彼に私は苦笑混じりに答えた。




【NEXT】

帰想本能2(兄者)→←眠りにつくまで2(おついち)



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設定タグ:2BRO. , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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アルバ - コメント有難うございます!殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです!また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルバ | 作成日時:2018年6月19日 12時

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