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琥珀色の情炎(兄者)※ ページ12

ーーー酔うと凄いんですーーー



「兄者ー。それ一口頂戴」

横に座っていた彼女が俺の手にしたグラスを指差した。

「止めとけ止めとけ。Aには強すぎて飲めねぇよ。大人しく缶チューハイでも飲んでろ」

彼女のお願いを断り、俺は苦笑しながら琥珀色のウイスキーを口に含んだ。お酒に強い方ではない彼女が普段なら俺が飲んでいる度数の高いお酒を飲みたいなどと要求してくる事などないのだが、今日は酔いが回っているのか少し赤くなった頬を緩ませ言葉を紡ぐ。

「大丈夫だよー。今日はイケる気がするもん」

「いや、何がどうイケるんだよ」

手を伸ばしてグラスを取ろうとする彼女を制し、届かない位置にグラスを遠ざける。グラスを動かす度にグラスの中の丸い氷が音を立てる。

「良いじゃん、ー口くらい」

「A大分酔ってるだろ?それ以上酔ってどうするんだ」

「酔ってないよー。普通、普通。デフォルトですー」

そう軽口を叩きながら俺の腕に絡み付いてくる彼女。頬を染め、眠たげな瞳で酔っているのは明らかだが、そこまで酔っていない俺からしてみれば彼女の言動は己の理性との闘いである。


その顔、その声、その仕草
無自覚で無防備なその笑顔に
陶酔仕切っている俺もどうしようもない


「人の気も知れねぇで・・・。そんなに飲みたきゃ飲ませてやるよ」

逃げるなよと呟いて俺はグラスに残っていたウイスキーを全て仰いだ。

「わーい。ってあれ?兄者が飲んだら私の分が・・・」

そう首を傾げる彼女の頬に手を置き、彼女が言葉を紡ぐ前にその唇を塞いだ。思ってもいなかった俺の行動に慌てて逃げようとする彼女の腰を素早く反対の手で押さえ、自身の方へ引き寄せた。羞恥から強張る彼女の唇を舌で優しくこじ開け、口に含んでいたお酒をゆっくりと彼女の口内へと移しそのまま舌を絡め口内を味わう。ウイスキーの味とほんのり甘いカクテルの味が混ざり合い、お互いの唾液に溶けていく。暫く堪能してから唇を離すと琥珀色の液体が一筋、彼女の口端から零れ落ちた。

「美味かったか?」

「うぇ、あ、兄者ぁ・・・!」

「ちゃんと一口あげただろ。なぁA、今度は俺にもくれよ」

もっとも欲しいのはお酒じゃねぇけど。赤面する彼女に俺はニヤニヤしながら彼女の首筋に欲望のキスをした。




【END】

渇望(ダーク系おついち)※→←初恋2(弟者)



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設定タグ:2BRO. , 兄者弟者 , おついち   
作品ジャンル:恋愛
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アルバ - コメント有難うございます!殆ど自己満足みたいな文章で申し訳ない感じですが、そう言って頂けると嬉しいです!また温かいお言葉有難うございます( ´ ▽ ` )毎日猛暑ですが、ななしのゴンベイさんもお体に気を付けて下さいませ。 (2018年7月18日 23時) (レス) id: 5ec2af47b2 (このIDを非表示/違反報告)
ななしのゴンベイ(プロフ) - 確りとした世界観と、読みごたえある文章に惚れ込みました。日々の癒しとして、これからも愛読させていただきます。日差しが厳しくなって参りましたが、お体には気をつけて執筆活動を楽しんでください。 (2018年7月18日 5時) (レス) id: 5d365d193a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルバ | 作成日時:2018年6月19日 12時

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