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その10 今にもワカメが出てきそうな塔  by結菜 ページ11

私達は時計塔の前に来た。

しかし誰が扉を開けるかで口論しているのである。

このままでは日が暮れてしまいそうだ。

私は意を固めた。

『私が開けるよ。』

そう言うと、皆が私の事を女神かなにかを見るような目で見つめてきた。

……そんなに嫌だったんだね。

ひんやりと冷たいドアノブに手を掛け、手前に引く。

時計塔の扉が耳障りな音をたてて開いた。

薄暗い塔の内部には鉄製のらせん階段があり、塔の一番上まで続いている。

「不気味だね。今にもワカメが飛び出してきそう。」

結菜が呟いた。

その声は、時計塔の中で不気味に反響する。

「呼んだ?ってか咲紗ちゅわん見なかった?」

ワカメが飛び出してくることはなかったが、急に後ろから声をかけられたので奇声をあげてしまった。

『咲紗さんならもう帰ったような気がするけど。』

「ありがとう!よし、咲紗ちゅわんの家に突撃だ!」

外巣の発言がヤバい。

『やめろ!ってか家知ってるの?』

「うん!昨日、帰り道ずっと数メートル離れたところから咲紗ちゅわんを見守ってたんだ!そして日付が変わるまでずっと咲紗ちゅわんを見ていた。」

色々とツッコミどころがありすぎる件について。

まあ、この前林間学校の3日目の朝に私達の部屋に忍び込んでいたくらいだからありえなくもないけど。

『そんなに好きなら、どうして咲紗さんを見失ったの?』

「ワカメダンスを夢中で踊っていたから……。俺、もう帰る!咲紗ちゅわんに変な虫がついていないか監視しないといけないんだ!」

なるほど。咲紗さんよりワカメダンスの方が好きなんだね。

それと「変な虫」はお前だよ……。あ、お前は「変な海藻」か。


***
ー数分後ー


私達はなんとか塔の一番上にある小部屋までたどり着くことができた。

部屋の隅にあった箱を開けてみると、本当に遺書が入っていた。

……「謎の女性」の遺書には、クラスメートたちにいじめられていること、クラスメートたちが彼女の殺害計画をたてていることが書かれていた。

自死ではなかったようだ。

箱を元の場所に戻そうとしたとき、何かがはらりと落ちた。

拾い上げてみると、それは桜の押し花だった。どうしてここに?

「この遺書を見つけたからもう謎の女性が現れることは無いよね。一件落着!」

椿が嬉しそうに言う。


***


翌日以降、もうこの怪奇現象が起きることはなかった。

けれども何かが足りないような気がして、私はとある人物に再び会いに行った……。

その11 それは、誰にもわからない……。  by咲紗→←その9  詩と暗号  by結菜



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作品ジャンル:恋愛
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yasupi3 - まじでKA☆O☆SU!腹筋崩壊しそうw w (4月30日 15時) (レス) @page4 id: 1041f8d9f3 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - ピノさん» 正解〜ピノならわかると思っていたよ〜☆(^-^) (2022年5月2日 8時) (レス) id: ab000dc964 (このIDを非表示/違反報告)
ピノ - はいはーい!!正解は勾玉かな!?あってたら嬉しいな。 (2022年4月30日 20時) (レス) @page30 id: cbddf509f3 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - 「城之内ムーブ」とは…?(Google検索…途中で面倒になって放棄)ちなみに、ネタが面白すぎて書きながら爆笑していた作者です☆ (2022年4月26日 8時) (レス) id: ab000dc964 (このIDを非表示/違反報告)
ピノ - やばぃ・・・城之内ムーブめちゃしてて草生えすぎて呼吸困難なったwww更新は無理しないでね! (2022年4月25日 16時) (レス) @page27 id: cbddf509f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉姫 | 作成日時:2022年3月23日 18時

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