【◇】年下はお断りです

年下31 ページ32

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「ここは(1)を使って…」




時刻は午後7時半。



小湊の部屋で教えて貰っているのはいいんだけど…

部活の休憩中に「俺の部屋来て」と言うのはやめてほしかった。


木島と倉持の目に殺意が宿って…



この世の終…！！と思って必死に「あ！私の勉強見てくれるんだよね！！数学の勉強！！」と頑張って叫んだ。




その効果があったのか無かったのかとりあえず助かった。





「……小湊」

「何」

「……(1)から全っ前わかんないんだけどどうしよ…」




本気で困った顔をして小湊を見ると「お前本当馬鹿なの？」と救いようのない目で言われてしまった。





「……文系に数学求めないで」

「文系とかテストじゃ関係無いから」

「……はい」





ごもっともと思いながら再び目が痛くなるような式に目を落とすとガチャ、と部屋の扉が開いた。





「あ、木島くん」

「……こんばんは」



バットを持って怪訝な顔でこちらを見ている木島くんに「お邪魔してます」とごめんなさいも含めて笑いかける。



「いえ、別に気にしてないので」




……いや絶対私邪魔だよね！？本当ごめんなさい！！


と心の中で必死に謝って木島くんのバットを見て、ふとそういえば小湊も自主練あったんだ、と思った。



小湊、自主練の時間削ってまで教えてくれてるんだ…




ちゃんと頑張って再試回避しないとな。





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