東卍の白豹Part2

88話:呪い ページ43

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病院の外に出ると真一郎は静かに話し出した



真一郎「...多分、あの時オレが死ぬ筈だったんだ」

若狭「は？」



真一郎の言葉にワカは訝しげな顔をした
けれどそれを気にせず続けた





真一郎「ワカ、オレは万次郎を救う為に
タイムリープしたんだ」

若狭「は？タイムリープって...
真ちゃん何言って...」


真一郎「信じられるわけ、ないよな...
けど事実なんだ
オレは、その為に人を殺した＿＿＿」






真一郎は今までにあった事

“最初の世界”であった事を全て話した


いかに自分が最低な事をしてきたかを話した＿＿＿



人殺しだけじゃない

ずっと側に居てくれた雪に酷いことをしていた





数日前、全てに絶望して自分が死んだ後の話を
春千夜から全部聞いた

そこで雪が、自ら死を選んだことを知った
自分が死んだ次の日、自分と同じように川に身を投げたらしい




“何よりも大事な人達に捨てられた”と絶望して
心が死んだのだと＿＿＿

死ぬ間際にそんな事を言っていたらしい



“何よりも大事な人達”

それは紛れもなく真一郎とワカのことだった





最初の世界で、“あの日”から全てが狂い出した



それを全てワカに話した







真一郎「オレ、あのじいさんを鉄パイプで頭殴って
殺したんだ、何回も鉄パイプを振り下してる間
じいさんは“呪われろ”って言い続けてた
あの時、オレは“呪い”をかけられたんだ
だから、その報いが来たんだって思った
けど雪が...オレの代わりに...っ

なんでだよっ雪は何もしてねぇじゃねぇか！！
オレのせいで2回も人生滅茶苦茶にされて
その挙げ句また死ぬのか！？」



真一郎は頭を抱えてしゃがみこんだ

ワカは真一郎の隣にしゃがんで言った





若狭「...真ちゃんが思ってたよりも追い込まれてたのと
雪にヒデェことしたってのはわかった

春千夜から聞いた話も最悪だな...
真ちゃんだけじゃなくオレまで
雪のこと殺したってことだろ、その話じゃ
最初の世界でのオレ、最低野郎じゃねぇか
落ちるとこまで落ちたモンだな、本当にオレか？」


真一郎「信じてくれるのか？」



真一郎は顔を上げてワカを見た
ワカは、今にも泣き出しそうな真一郎の頭に手を乗っけて言う

真一郎はそれに雪の面影を見て、目を見開いた






若狭「真ちゃんは嘘つくの下手だろ
＿＿＿＿頑張ったな」



その言葉に真一郎は涙を零した





真一郎「ワカ...オレ、散々雪にヒデェ事して
傷付けてきた」

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