東卍の白豹Part2

75話:逃げてきた理由 ページ29

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それから数日経った日、8月13日

雪は少し大きめのバッグに必要な物を詰め込んで
S.S MOTORSに向かった



昼時の暑い外に出た瞬間、顔を顰めた
暑いのは本当に苦手なのだ
大した運動をしていないのに汗をかく




そうして店の前までつくと
店の中に何人か客がいるのが見えた

そのまま店の中に入ると、その人達全員の視線が
雪に集まった
クーラーが効いた、冷たい空気を感じて、ふうっと一息つく


実は、この時店の中にいたのは、客ではなく
初代黒龍にいた隊員だった




『あ、皆来てたンだ。久し振り』


「おっ、雪！大っきくなったな！」

「ますます特攻隊長ソックリになってきたな
見間違えたわ、もう15になるもんな！」

「雪、お菓子食べるか？さっき買ってきたんだ！」

「バッカお前！雪はもうガキじゃねぇんだ
そんなちゃっちぃ菓子如きで釣れるわけねぇだろ！
雪！コレ、駅前のカフェのケーキ無料券だぜ！
友達か真さん達と一緒に行ってこいよ！」

「あ"？オレは雪が好きな菓子全部覚えてんだぞコラ
大切なのは気持ちだろ？」

「オレだって気持ちは負けてねーもん！
あー、黒龍(ウチ)の末っ子が今日も可愛いなー！！」

「オマエら...いい歳した大人が子供の前で騒ぐなよ
幻滅されんだろーが」



『大丈夫、皆がそーいう奴だってわかってっから
今更幻滅なンてしねェよ？馬鹿だとは思ってっケド』





雪の言葉にダメージを受けた数人が胸を押さえた


「うっ、口調までワカさんに似てきた...」

「末っ子の何気ない1言にお兄ちゃん達ダメージ受けた」

『ん？私のお兄ちゃんは今牛若狭だけだからナ？』

「オレらも雪のお兄ちゃんだし！！」

『はいはい、わかったっての』


「未成年になだめられる大人...絵面ヤバ」





そこで雪が店の中を見渡して言う



『真一郎君は？もしかして休憩中？』

「真さんならさっきオレ達にジャンケンで負けて
お菓子とジュース買いにコンビニ行ってる」

『店主に何やらしてンの...』

「大丈夫だって！オレら何回か店の手伝いしに来てるし
店番ぐらいはできるぜ？」

『じゃあ私はプロだナ』

「え？」



『此処にはほぼ毎日来てるし手伝いもしてる
たから私は皆より先輩だ、プロってことダヨ
お陰で工具の名前も全部覚えちゃったし』





雪の何気ない一言に全員の考えが一致する


全員((ほぼ毎日...？
え、もしかしていつの間にか付き合って...？))

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