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♀/恋愛?/ゆったり ページ20

夜の水族館。

閉館間際になれば客足も少なく、
物産店が最後とばかりの追い込みをかける。

私は大きな水槽の前にいた。
一人で来るのは少し憚られるような水槽。

泳ぐのはクラゲ。
人口の流れに揺られて、ただ漂う。

時間ギリギリまで
この場所で立ち見するのが日課。

この大きな水槽をみつめる。
たった一人で、クラゲという不思議な生き物を見たいだけ。

ついには顔を受付嬢に覚えられてしまった。

閉館五分前の合図が鳴り、帰ろうと水槽に背を向ける。

「好きなんですか?クラゲ」

…正直驚いた。
このコーナーに私以外がいるとは思わなかった。

「いつもこの水槽の前にいるので、好きなのかなぁと思いまして」

腕にスタッフの腕章。手には掃除用具。
ここのスタッフなのだろうと認識できる。

私は彼に微笑んだ。



「嫌いじゃないですよ」







___________こちらクラゲ水槽前

性別不詳/not恋愛/手紙→←♀/悲恋/独白



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作者名:秋花火 | 作成日時:2015年12月3日 20時

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