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54話 ページ6

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「レオナさんって20歳の上に王子なのですね。意外でした」

「そうッスよね〜。番長みたいな風貌しながら夕焼けの草原の第二王子なんッスよ」

「ラギーてめぇ覚えてろよ」



サバナクローの寮長、レオナ・キングスカラーさんと、ラギー・ブッチくん。
あの時魔法をかけてくれたのはレオナさんだ。



「俺らにも少しは優しくしてもらえれば助かるんスけど」

「雌には優しいのが定義だろうが」



この二人は獣人族で鼻が利き、匂いで私を女だとすぐに分かったらしい。



「まぁ、人は見た目によりませんよ。20歳だってまだ若いですし」

「Aくんも中身はレオナさんよりも上っすからね」



シシシ、と特徴的な笑い方のラギーくんは大きな耳をピコピコ動かした。



「…あ、A氏ィきゃあああああ陽キャァ」

「こんにちは、レオナさん、ラギーさん」


「ッチ、うるせぇなぁ…。迎えが来たぞ」

「はい。ありがとうございました」

「礼には及ばねぇよ、さっさと行け」

「じゃあねぇ、Aくん」



迎えに来たイデアくんとアズールくんにものすごく心配されながら植物園を後にした。



「私は風船………私は…………白鯨(モビー・ディック)…」

「モビー・ディック?」

「さっきより安定してますね。その調子ですよ」



もう一度ホウキに跨り、飛行をしてみる。

前回のゆっくり上昇ではなく、しっかり上がっていった。


………あ、でも白鯨(モビー・ディック)って私が墜落させ…



「あああ!!!急降下してますぞ!!」

「Aさんは僕が受け止めますから!安心してください!!」

「いや拙者が!!!」



さっきの安定感は消え失せ、急降下する身体。
その真下ではイデアくんとアズールくんが慌てていた。



ポス、と誰かに抱きとめられる。

不思議と身体に衝撃は走らなかった。



「……………大丈夫か、人の子よ」

「つ、ツノ太郎さんでしたか。ありがとうございます」



抱きとめてくれたのは何処から現れたのか、いつか会ったツノ太郎さんだった。


傍から見ていたイデアくんは「アイエエエエ!ナンデ!?」と騒ぎ、アズールくんは目をこれでもかと言うほど見開いている。



()い人の子が落下していくのを見てな。僕は気が気じゃなかったぞ」

「来て頂いて助かりましたよ、ツノ太郎さん」

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アババババ - 80話の最後のフロイド君の発言で草生えました! (2022年11月19日 23時) (レス) @page32 id: 222bdc0355 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» 承認しました!こちらこそよろしくお願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - あ〜ちゃんさん.......私も好物なので有り難いです......!ぜひ御願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: fc34ad99ff (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あ〜ちゃんさん» 柘榴です!よろしくお願いします! (2020年7月23日 18時) (レス) id: f20993b4a3 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» OKです!ありがとうございます!! (2020年7月23日 13時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月29日 0時

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