【ツイステ × 文スト】魔人の双子の妹は異世界へ飛ばされたようです《2》 (ページ11)

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59話ページ11

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「アンタねぇ！！折角顔のパーツもスタイルも悪くないんだから少しは手入れぐらいしたらどうなのよ！？」

現在私はルークさんの言う毒の君……ヴィルさんの部屋にて、ヘアアレンジやメイクを試されている。

…お小言をくらいながら。

「すみません、今までに必要になってくる事があまりなかったもので」

「何ですって！？しんっっじられないわ。………一旦目を瞑りなさい」

「はい」

言われた通りに目を閉じる。
瞼を撫でるブラシが少し擽ったい。

確か最後にこんな風に整えられたのは何年も前だ。

パーティー会場にフェーヂャと潜入した日、ゴンチャロフがこんな風におめかしを施してくれた。

当時、良い美容院も無知だった私は長い白髪を持ち、手先が器用な彼に頼んでみたのだった。

──『妹様から直々に指令を……！！…嗚呼、私はなんて幸福なのでしょうか………！』

──『ぼくがやる、という選択肢は無かったのですか？』

幸せそうなゴンチャロフと、拗ねたようなフェーヂャ。二人とも可愛かったなぁ。

「…………よし、目を開けなさい」

「…………………え」

ゆっくり視界を開けると、目の前の絢爛なドレッサーの鏡には見違えるように綺麗になった自分が座っていた。

私の瞳に合うラベンダー色のアイシャドウ、桃色のグロス。目の下の隈も消えている。

「…………これが、私…？」

「フン。磨けば磨くほど、人っていうのは綺麗になるものよ。自信を持ちなさい」

やっぱりアタシの目は間違っていなかったわ！と誇らしげに笑うヴィルさん。

「Спасибо(ありがとうございます)。まさか、こんな変わるとは思っていなくて驚きました」

「当たり前でしょう」

「ですが…なんで私を？」

「………自覚無いの？」

一体何の自覚だというのか。

私は頷くと、ヴィルさんは呆れたような顔をした。

「…………まぁいいわ。戻りましょうか」

「はい」

「ワォ！マドモアゼル・アメジスト、実に美しいよ！流石は毒の君だね！トリックスターもそう思うだろう？……トリックスター？」

「…監督生さん、息をしていませんね。生き返ってください」

「ハッ」

「本当に生き返ったわね」

「女神…………女神がおる………ｳｯ……顔面国宝や…」