14 ページ15
『もしもし、』
「お嬢様、いかがいたしましたか」
よくできているのか何なのか、
私や、お兄ちゃんの声は一発で識別してくる大野。
『今日、学校まで迎えに来てもらったりできる？』
「はい、もちろん」
お待ちください、とだけ言われて電話が切れた。
スマホにＧＰＳついてるから、正門あたりで待とうかな。
5分後には着くんじゃないかしら。
『電話、しましたよ？』
「見てたら分かるよ(笑)立てそ？」
『多分、』
ベットから降りて立つと、視線の先に、
先生のハンカチ。
『洗って返しますね』
「ん、」
氷は、もうなくて大丈夫そう。
綺麗にたたんで、スマホと同じところに入れた。
「玄関までいこっか」
『...先生、ほんとに心配性なんですね...』
「まあ、ね」
ほら、って促されて、保健室を出た。
窓から入り込んだ光が、先生と私の影を伸ばす。
「数学さ、苦手なんだって？」
『あぁ...』
担当の先生の手前、はっきりそうですとかは言えない。
「まぁ、言いずらいよな(笑)ワリぃ」
『...先生って、口悪いですよね』
「ん？あぁ、まぁね。ヤダ？」
『お兄ちゃんと一緒くらい』
想ったことを、口に出してるってことに気づいてハッとした、
まずい、先生にしていい会話じゃないよこれ！
「あぁ、松潤ね(笑)あいつも口悪いよな、確かに」
『え？』
だけど、帰ってきたのは、予想外すぎる言葉。
『お兄ちゃんのこと、知ってるんですか？』
「まぁ、知ってるも何も」
同級生、って先生が笑った。
『え！』
拍子抜けってこのことを言うんだと思う、
ついでに、私の顔も、ものすごく間抜けなんだと思う。
「俺さ、先生になりたかったから、高校で外出たの。で、資格取って帰ってきた」
『なるほど...』
「てかさ、」
先生が足を止めて、笑った。
「松潤の友達ってわかったら、めっちゃ警戒心解けた(笑)」
『、』
フハって吹きだした先生が、私の頭に触れた。
「じゃ、気をつけてな」
いつの間にか、玄関に来てたんだ...
『ありがとうございました、先生』
名残惜しい気がしたのは、気のせいじゃない、
先生のことが知りたかったんだ。
お兄ちゃんの知り合いってことは、きっとあのオケの二人とも同学年で、
和くんとも同学年。
「お待ちしておりました」
『ありがと、大野。助かったわ』
もう、たんこぶの痛みなんて忘れてた。
全部、先生のせい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 415人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あきんこ(プロフ) - ゆかりさん» 先生照れちゃいますよ(笑)いつも見ていただいて嬉しい限りです。 (2018年9月12日 17時) (
レス) id: 11450d0470 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 櫻井先生大好きです (2018年9月12日 10時) (レス) id: 8447f08366 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あきんこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2018年9月5日 19時
